◎スリランカは対外債務の処理に苦労している。
スリランカ政府は26日、世界銀行から6億ドルの融資を受けることで合意したと明らかにした。
この融資は輸入品(主に生活必需品)の支払いに充てられる。
政府のメディア部門は26日の声明で、「世銀は現在の経済危機に対処する6億ドルの融資に合意した」と発表した。
世銀も、「間もなく4億ドルを融資する予定」と声明を出している。
声明によると、世銀は進行中の経済危機を克服するためにスリランカを引き続き支援するとしている。
スリランカの株価はこのニュースを受け反発し、スリランカ・コロンボ証券取引所のメインインデックス「オール・シェア・インデックス」は4.1%上昇した。
オール・シェア・インデックスは過去2日間で約15%下落していた。
優良株のS&Pスリランカ20指数も7%以上急騰している。
スリランカは破産寸前の状態であり、総額250億ドルの対外債務のうち70億ドル近くを今年中に返済しなければならない。政府は輸入品の購入代金を支払えず、燃料、食料、その他様々な生活必需品が不足している。3月末の外貨準備は19億3000万ドルまで減少した。
スリランカ政府は今月初め、国際通貨基金(IMF)との融資交渉を開始した。
政府は融資プログラムの早期合意を目指しているが、それが確定するまでに輸入品の支払いを含む必要不可欠な経費として30〜40億ドルのつなぎ融資を必要としている。
政府はインド、中国、日本、複数の多国籍組織にIMF融資が確定するまでの間に必要なつなぎ融資を求めている。
インドはすでに19億ドルを援助している。しかし、スリランカは燃料を含む輸入品の購入に必要な資金15億ドルの追加援助をインドと交渉中である。
スリランカは中国に最大10億ドルのシンジケートローン(複数の貸付人でひとつのローンを形成する手法)を求めている。
スリランカ財務相はアジア開発銀行にも援助を求めると述べている。
対外債務の処理に苦労しているスリランカは今月、IMFや世銀の融資を受けるまで債務の支払いを停止すると発表した。
スリランカ政府を率いるラジャパクサ兄弟(大統領と首相)は「無謀な減税」「外貨を獲得できない無駄な施設への投資」「意味不明な政策」を推進することで債務を積み重ねたと非難されている。
採算の合わない投資の大半は中国が関与するプロジェクトである。