◎首都ダッカを含む複数の都市でハシナ氏に辞任を求める抗議デモが暴動に発展し、14人の警察官を含む少なくとも95人が死亡、数百人が負傷した。
バングラデシュ全土で反政府デモが再燃し、100人近くが死亡、数百人が負傷した。現地メディアが4日に報じた。
ハシナ(Sheikh Hasina)首相は破壊行為を非難。インターネットと再び遮断した。
地元の日刊紙などによると、首都ダッカを含む複数の都市でハシナ氏に辞任を求める抗議デモが暴動に発展し、14人の警察官を含む少なくとも95人が死亡、数百人が負傷したという。
各地で略奪や放火が確認された。
当局は夜間外出禁止令の対象地域を拡大。市民に不要不急の外出を控えるよう呼びかけている。
バングラでは1971年にパキスタンから独立する際に戦った兵士の家族らのために、公務員の特別枠(全体の30%)が割り当てられていたが、政府は2018年にこれを廃止すると決定した。
しかし、高等裁判所が6月、これを違憲と裁定したため、大規模な抗議デモに発展。多くの学生が首都ダッカなどで特別枠を廃止するよう求め、一部が暴徒化した。
その後、最高裁判所が特別枠の割合を縮小するよう命じると、デモは鎮静化。暴動も収まった。地元メディアはこの死者数を200~220人、負傷者を数千人と報じている。
ハシナ氏は声明で、「破壊活動に従事する暴徒の多くが学生ではなく犯罪者である」と断じた。
与党・アワミ連盟は複数の野党がデモ隊を煽り、国家転覆を画策していると主張した。
政府は5~7日まで公共機関を閉鎖すると発表。裁判所は無期限閉鎖となった。インターネット通信も再び遮断され、デモ隊の連絡ツールとなっているフェイスブックなどのSNSも利用できなくなった。
地元メディアによると、この数週間で少なくとも1万1000人が逮捕されたという。全国の学校や大学も閉鎖されたままだ。
ハシナ氏は今年1月の議会選で4選を果たした。