ベトナム2026年1月対米貿易黒字30%増、トランプ関税何のその
国家統計局によると、1月の対米輸出額は139億ドルに達し、前年同月の105億ドルから大幅に増加した。これに伴い対米貿易黒字は120億ドルとなり、前年同月比で約30%増加した。
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ベトナムの2026年1月の対米貿易黒字が前年同月比で約30%増加した。統計局のデータで明らかになった。同時に中国からの輸入額も過去最高を更新し、貿易構造の変化が鮮明となっている。
国家統計局によると、1月の対米輸出額は139億ドルに達し、前年同月の105億ドルから大幅に増加した。これに伴い対米貿易黒字は120億ドルとなり、前年同月比で約30%増加した。これは25年12月の123億ドルに迫る規模で、米国向け輸出の強さが引き続き示された。
この黒字拡大はトランプ政権が2025年8月からベトナム製品に対して20%の関税を課すなど、米側の関税強化策が進む中での成果である。ベトナム政府は米国との貿易協定締結に向けた協議を続けている。
一方で1月の対中輸入額は190億ドルに達し、前月の187億ドルを上回って過去最高となった。中国は引き続きベトナムにとって最大の輸入相手国であり、製造業向けの部品や原材料の供給源としての存在感を強めている。これによりベトナム全体の貿易収支は輸出額431.9億ドルに対して輸入額449.7億ドルと、178億ドルの貿易赤字となった。
統計はまた、ベトナムの工業生産が前年同月比21.5%増と堅調に拡大していることも示しており、この成長が輸出の伸びを支えているとみられる。消費者物価は前年同月比2.53%増、1月の小売売上高は9.3%増加した。外国からの直接投資(FDI)流入は16.8億ドルと、前年同月比で11.3%増加したものの、将来の投資指標となる投資意向額は25.8億ドルと40.6%の大幅減少を示した。
輸出拡大の背景には、米国市場での需要回復とベトナム製品の競争力があると分析される。ベトナムは電子機器や衣料品、履物などの加工品を主要輸出品目とし、米国はベトナム製造業にとって最大の輸出先だ。2025年通年ではベトナムの対米輸出は過去最高の1530億ドル、対米貿易黒字は約1340億ドルと高水準で推移した。
ただし、中国からの輸入増加はベトナム国内の生産サプライチェーンの強化という側面と同時に、米側の懸念材料にもなっている。トランプ政権はベトナムが中国製部品を輸入して付加価値をつけた後に米国へ輸出しているとし、「不正な迂回輸出」として追加関税の対象とする方針を示している。定義や適用基準は明確ではないが、米国が引き続き監視を強める可能性があるとの見方がある。
ベトナム政府は米国との関税協議と並行して、中国依存の解消に向けた取り組みを模索するとともに、米国製品の輸入拡大にも意欲を見せている。機械やハイテク製品、エネルギー関連の米国企業との覚書締結が進むなど、両国の経済関係強化につながる動きも出てきた。
1月の統計はベトナムが輸出主導の成長戦略を継続している実態を示すと同時に、米中という二大経済大国との関係調整の重要性を改めて浮き彫りにしている。今後も貿易交渉の行方や輸入構造の転換が国内経済に与える影響が注目される。
