ベトナム共産党、2026-30経済成長率を年率10%超に設定
ベトナムは過去数年にわたり安定した経済成長を遂げてきたが、グローバル経済の不透明感は依然として大きなリスクとなっている。
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ベトナムのトー・ラム(To Lam)党書記長は20日、首都ハノイで開幕した第14回共産党大会で、今後の経済成長率を年率10%超に引き上げるとの目標を改めて掲げた。ラム氏は世界的な供給網の混乱や自然災害、感染症、エネルギー・食料供給の不安など「多くの重層的な困難」があるにもかかわらず、2030年までの5年間に持続的な高成長を追求すると強調した。
共産党大会は5年に一度開かれ、党の最高指導部を選出し、国家の長期戦略を決定する重要な政治行事である。大会には約1600人の代表が参加し、ラム氏は党書記長としての地位維持に加え、国家主席の兼務を目指す可能性も取り沙汰されている。大会では今後の経済政策や指導部人事について集中的な議論が行われる予定だ。
ラム氏は演説で、引き続き債務削減に取り組むと述べ、デジタル化を成長の中心的な原動力にするとの方針を示した。また、貿易の拡大や外国投資の促進、腐敗・汚職との戦いを継続することも明言した。これらの政策は経済の構造転換や競争力強化を狙ったもので、従来型の輸出依存モデルからの脱却を意図するものとみられる。
ベトナムは過去数年にわたり安定した経済成長を遂げてきたが、グローバル経済の不透明感は依然として大きなリスクとなっている。特に、主要貿易相手国である米国が関税政策を巡る不安定な動きを見せている中で、輸出主導の経済モデルに変革が求められている。こうした状況を受け、ラム氏は「独立と国家利益の保護」を強調し、外部からの圧力や影響に左右されない経済基盤の構築を目指す姿勢を示した。
国際機関の予測では、2025年のベトナムの経済成長率は7%前後と見込まれているが、ラム氏が掲げる10%超の達成は容易ではないとの見方が強い。外部環境の不確実性に加え、国内の生産性やインフラ整備の課題も指摘されているため、政府は従来以上の改革と投資促進策を進める必要がある。
党大会では、経済成長に向けた詳細な方針が承認される見込みで、国内外の投資家や市場参加者は今後の政策動向に注目している。また政府はインフラ事業やハイテク産業への投資を一段と強化する計画を示しており、これらが成長率の押し上げに寄与するかが焦点となる。
政治的には、ラム氏が党書記長としての影響力を維持・強化することにより、政策の一貫性が保たれるとの期待もあるものの、党内には経済政策の方向性をめぐる意見の相違も存在するという。ベトナムがどのように国内外の課題を克服し、成長戦略を実行していくかが、今後の国際競争力を大きく左右することになるだろう。
