◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
2021年10月22日/ハイチ、首都ポルトープランス、武装ギャング「G9&Family」のリーダー(Matias Delacroix/AP通信)

国連は1日、中米ハイチでギャングによる暴力が蔓延し、昨年10~12月までに市民2300人以上が殺害されたり、誘拐されたりしたと報告した。

それによると、首都ポルトープランスで昨年11月下旬に発生したギャング間抗争では270人近くが死傷したという。

この抗争はポルトープランスの大部分を支配する武装ギャング「G9&Family」の内部で発生。そのリーダーである通称「バーベキュー(Jimmy "Barbecue" Cherizier)」と敵対する勢力が標的になったとされる。

国連ハイチ事務所は1日に公表した報告書の中で、「ギャングによる暴力は人的被害だけでなく、人道危機にも拍車をかけた」と指摘した。

それによると、昨年10~12月の間に死亡したギャングは確認できているだけで262人に達したものの、ギャングは支配地域のスラム街で若者を簡単にリクルートできるため、その勢いは全く衰えず、警察と正面から対峙できるほどになったという。

また国連は同期間に少なくとも700人が誘拐されたと明らかにした。

ハイチの治安は2021年7月のモイーズ(Jovenel Moise)大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。

ポルトープランスでは1年ほど前からG9&Familyを含む複数のギャングが地域の支配権をめぐって血みどろの抗争を繰り広げている。

国連安保理は昨年10月、ハイチにケニア主導のPKOを派遣することを全会一致で承認したものの、ケニアの高等裁判所は今週、安保理の決定に基づきハイチに「警察官」を派遣することは違憲であると裁定した。

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