◎軍事政権は司法の独立と公正な裁判の基本原則に反し、秘密法廷で審理を続けている。
ミャンマー、最大都市ヤンゴン、軍事政権に抗議するデモ(Getty Images)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は2日、軍事政権の支配下に置かれたミャンマーで多くの活動家が死刑を宣告され、その数は139人に達したと報告した。

テュルク(Volker Türk)高等弁務官によると、少なくとも7人の大学生が先月30日に死刑を宣告され、その翌日にも4人の青年活動家が死刑を宣告されたという。

テュルク氏は声明で、「軍は司法の独立と公正な裁判の基本原則に反し、秘密法廷で審理を続けている」と非難した。

軍は昨年2月に権力を掌握し、選挙で選出されたアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏を含む指導者を逮捕した。

治安当局は軍事クーデターに抗議するデモを弾圧し、武力闘争に発展。一部の国連専門家はミャンマーを内戦状態にあるとみなしている。

テュルク氏によると、軍は反政権派や活動家など約1万6500人を逮捕し、そのうち約1700人は弁護士なしで秘密法廷に立たされ有罪判決を受けたという。

最大都市ヤンゴンの学生連合は1日、今年4月に逮捕された18歳から24歳の大学生7人がヤンゴン市内にあるインセイン刑務所の秘密法廷で死刑を宣告されたとフェイスブックに投稿した。

この学生連合の幹部はAP通信の取材に対し、「7人は軍政に反対するゲリラとのつながりを疑われて逮捕され、今年4月に発生した銀行支店長射殺事件に関与したとして死刑判決を受けた」と説明した。

軍は今年7月に活動家4人を絞首刑に処した。ミャンマーが公式に死刑を執行したのは約30年ぶり。

この死刑は欧米諸国やASEAN(東南アジア諸国連合)からの非難を招いた。

テュルク氏は、「軍は反対派を潰す政治的手段として死刑を利用している」と述べた。「軍が暴力を終わらせようとするASEANや国際社会の努力を軽んじていることに疑いの余地はありません」

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