◎AP通信によると、ミャンマー軍に兵器を提供しているロシアは、「人権を完全に尊重し、人々の意思と利益に従って対話と和解を追求する」というクレムリンらしからぬ言葉にこだわったという。
4月1日午後、国連安全保障理事会はミャンマー軍の暴力的な取り締まりと民間人の死を厳しく非難する声明を発表した。
安保理の評議会メンバーは声明の中で、「ミャンマーの急速に悪化する状況への深い懸念」を表明し、軍に対する最大限の抑制を行使するという「呼びかけ」を繰り返した。
イギリスの国連大使が提案した草案はこの声明よりもはるかに強力で、「さらなる措置を検討する用意がある」という文言が含まれると期待されていた。また、平和的な抗議者に対する暴力の使用を「嘆き」、治安部隊による抗議者の殺害を「最も強い言葉で非難」すると思われていたが、内容は前回の声明をほぼ同じだった。
ミャンマーの友人、中国の主張により、イギリスの草案から「さらなる措置」は排除され、「殺害」や「嘆願」という言葉を含むより強い言葉は予想通り和らげられた。
協議の結果、「さらなる措置」は「状況を注意深く監視し続け、問題を積極的に掌握し続ける」という言葉に置き換えられた。
AP通信によると、ミャンマー軍に兵器を提供しているロシアは、「人権を完全に尊重し、人々の意思と利益に従って対話と和解を追求する」というクレムリンらしからぬ言葉にこだわったという。
アントニオ・グテーレス事務局長はミャンマーの国軍記念日(3月27日)に声明を発表し、「国際社会からの確固たる統一された断固たる対応を求める」と呼びかけていたが、この日、ミャンマー軍の治安部隊は抗議者を少なくとも114人殺害した。
バーバラ・ウッドワード英国連大使は声明で、「評議会の目的はクーデターを逆転させ、平和と民主主義を回復するという勇気ある決意で市民を支援し、軍に強い圧力をかけることです」と述べた。
ウッドワード英国連大使は、「国連のミャンマー特使、クリスティン・シュラナー・バーゲナー氏の関係諸国への訪問と東南アジア諸国連合(ASEAN)の努力に期待している」と希望を表明した。
バーゲナー特使は昨日、ミャンマーの弾圧と混乱が「前例のない規模の内戦に発展する可能性がある」と警告し、安保理により強い声明を発表するよう嘆願していた。
しかし、中国の張潤大使は国連が配布した資料の中で、「一方的な圧力、制裁またはその他の強制措置の要求は緊張と対立を悪化させるだけであり、建設的ではない」と述べ、その言葉通り、今回の声明は前回の声明と大して変わらない内容に落ち着いた。
アウンサンスーチー氏と国民民主連盟(NLD)の閣僚らは、2月1日の軍事クーデター以来公の場に姿を見せていない。
国内の逮捕者と死亡者を追跡している政治囚人支援協(AAPP)によると、一連の抗議活動で殺害された市民は少なくとも536人に達し、約2.700人が逮捕、起訴または実刑判決を受けたという。
安保理は3月10日に軍事クーデターの撤回と平和的な抗議者に対する暴力を非難する大統領声明を発表し、民主的な制度とプロセスの回復、アウンサンスーチー氏やウィンミン大統領らの即時釈放を要求していた。
評議会は4月1日の協議の中で、ミャンマー軍の弾圧に直面しているロヒンギャを含むラカイン州北部のイスラム系少数民族の問題についても話し合った。治安部隊による虐殺、拷問、強姦に直面したロヒンギャの市民100万人以上は、隣国バングラデシュの難民キャンプに避難している。
評議会のメンバー15人は、「一連の暴力はロヒンギャ難民と国内避難民の持続可能な帰還に特に深刻な影響をもたらしている」と述べた。
今回議長国を務めたベトナム国連大使のダン・ディン・クイ氏は記者団に対し、「今の最優先事項は暴力を止め、対話しやすい環境を作ることだ」と述べた。
ベトナムを含むASEAN加盟国は制裁については一切言及しておらず、対話で問題を解決すると繰り返し主張している。
支援団体セーブ・ザ・チルドレンによると、3月末時点で少なくとも43人の子供が治安部隊に殺されたという。最年少の犠牲者は6歳の女児。この女児は家族の目の前で射殺された。