インド・イギリス首脳会談、自由貿易協定に向け協議
インドとイギリスの経済関係は歴史的なつながりを背景に近年ますます強化されている。
とスターマー英首相(AP通信).jpg)
インドのモディ(Narendra Modi)首相は9日、金融都市ムンバイでスターマー(Keir Starmer)英首相と会談し、貿易協定の推進とともに、貿易、防衛、技術における協力の深化について協議した。
スターマー氏のインド訪問は24年7月の就任以来初。両首脳は今年7月にロンドンで会談した。
インド政府は投資を呼び込む取り組みの一環として、関係国との貿易強化を推進している。
モディ氏は共同記者会見で、「7月のロンドン訪問中に署名した貿易協定の推進、およびデジタルインフラ、技術、防衛、重要鉱物、教育における協力の強化に焦点を当てた」と語った。
イギリス国防省は声明で、「両首脳はイギリスがインドに海軍艦艇用のミサイル、発射装置、電気エンジンを供給することを可能にする防衛協定にも署名した」と明らかにした。
モディ氏は「両国はパートナーであり、この連携強化は不確実な世界における安定の模範になるだろう」と強調した。
またモディ氏は「インドとイギリスの連携は、世界の安定と経済発展にとって極めて重要な基盤となりつつある」と指摘。軍事訓練協力に関する合意に達したこと、イギリスの9大学がインドキャンパスの開設を計画していることも明らかにした。
インドとイギリスの経済関係は歴史的なつながりを背景に近年ますます強化されている。両国は貿易、投資、人材交流の各分野で密接な関係を築いており、自由貿易協定(FTA)の締結に向けた交渉が進められている。
インドにとってイギリスは欧州への重要な輸出市場であり、自動車、薬品、ITサービスなどが主力品目である。一方、イギリス企業はインドの巨大市場や成長性に注目しており、金融、教育、再生可能エネルギー分野への投資が拡大している。また、多くのインド系企業がイギリスに拠点を置き、雇用創出にも寄与している。
両国は経済安全保障やサプライチェーン強化といった戦略的課題にも協力して取り組んでおり、FTAが実現すれば関税削減や市場参入の障壁緩和が期待される。今後も互恵的なパートナーシップの深化が見込まれる。