トルクメニスタン、世界有数の閉鎖国家が暗号通貨マイニングと取引を合法化
この「仮想資産法」はセルダル大統領によって署名され、暗号通貨関連の活動を民法の下で規定する内容となっている。
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中央アジアの旧ソ連構成国であるトルクメニスタンは1月1日、暗号通貨のマイニング(採掘)と取引所の運営を正式に合法化する法律を施行し、政策の大きな転換を図った。これまで国家統制の厳しい経済運営を続けてきた同国にとって、暗号資産に法的枠組みを与える今回の措置は異例の動きとなる。新法は1月1日付で発効した。
この「仮想資産法」はセルダル(Serdar Berdymukhamedov)大統領によって署名され、暗号通貨関連の活動を民法の下で規定する内容となっている。具体的には、マイニング事業者や仮想通貨取引所は中央銀行の監督下でライセンスを取得しなければならず、正式な登録と許認可を受けた上で運営できる仕組みが導入された。これにより、かつては法的に扱いが不明瞭だった暗号通貨ビジネスに明確な規制が敷かれることになった。
しかし、暗号通貨そのものを法定通貨や支払い手段、証券として認めるものではないとの規定も残されている。つまり、ビットコインなどのデジタル資産は財産として保有や取引が認められるものの、日常の支払いや給与、公式取引に使用することはできない。また、国家によるインターネット管理が厳格である点も変わらず、オンラインでの活動は依然として制限されている。
新法ではマイニング活動にも詳細なルールが設けられ、個人事業主と法人の双方が対象となるものの、すべてのマイナーとその設備は電子的に国家銀行に登録する義務がある。登録要件には有効な暗号ウォレットの保有や技術・消防安全基準への適合が含まれており、他者のコンピューターを無断で利用するいわゆる“隠れマイニング”は禁止される。仮想資産サービス提供者は顧客の本人確認(KYC)やマネーロンダリング防止法への準拠など厳格な規制も求められる。
仮想通貨関連広告にも規制が及び、広告には投資リスクや全額損失の可能性を明示することが義務づけられるとともに、未成年を広告に使ったり、簡単に儲かるといった誤解を与える内容は禁止される。国家の象徴や「トルクメニスタン」「国家」などの文言を企業名やロゴに使用することも禁じられており、国家による肩入れを避ける姿勢が示されている。国は仮想資産の価値下落や損失に対して責任を負わないと明記された。
トルクメニスタンは天然ガスの輸出に大きく依存する経済構造を持ち、主な輸出先である中国との関係が経済基盤を支えている。今回の暗号通貨規制は、余剰エネルギーの活用や投資誘致という観点から経済多角化を図る狙いがあると分析する向きもあるが、厳しい情報統制やインフラ制約が障壁になるとの指摘もある。
トルクメニスタンは電子ビザ導入など外国人の訪問や投資環境の改善を図る動きを見せてきたが、今回の規制強化は経済制度における慎重な開放策として評価される。一方で、市場自由化と国家統制のバランスをどう取るかが今後の課題となる。
