◎パベル氏と蔡総統は30日に電話会談を行った。
チェコ、首都プラハ、パベル次期大統領(Getty Images)

中国外交部は31日、チェコの次期大統領に選出されたパベル(Petr Pavel)氏が台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統と電話会談を行ったことに怒りを表明し、「チェコは中国の主権を脅かし、強硬路線に転じた」と主張した。

パベル氏と蔡総統は30日に電話会談を行った。

中国外交部の毛寧(Mao Ning)報道官は、「パベル氏は中国の度重なる制止と苦情に反抗し、レッドラインを踏み越えた」と語った。

毛報道官はチェコ外務省に苦情を申し立て、場合によっては厳しい措置を取ることも辞さないと警告した。

パベル氏は週末に行われた大統領選で右派候補に勝利し、中露寄りと批判されているゼマン(Milos Zeman)大統領の後継者に選ばれた。

パベル氏はNATO軍事委員会の元議長であり、ウクライナのNATOおよびEU加盟を強く支持している。

チェコのフィアラ(Petr Fiala)首相は31日、中国から圧力がかかったことについて、「チェコの対中政策に変更はなく、同盟国の政策に沿ったものだ」とツイートした。

またフィアラ氏は、「チェコは主権国家であり、会談相手は自分で決めることができる」と強調した。「チェコは民主的な台湾と良好な経済、教育、研究関係を結んでいます。また、中国がアジアの重要な貿易相手国であることも理解してます。我々は伝統を継承し、共通の民主的価値を守ります」

台湾メディアは政府報道官の声明を引用し、「蔡総統はこの電話会談でチェコとの深い絆を再確認し、自由、民主、人権の価値を共有した」と報じている。

また蔡総統はパベル氏に対し、「台湾は半導体設計、先端技術の人材育成、サプライチェーンの再構築など、重要な分野でチェコとの協力を深めていきたい」と述べた。

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