◎「西パプア民族解放軍(TPNPB)」が犯行声明を出し、インドネシア政府が西パプア州の独立を認めなければ、男性を処刑すると警告した。
インドネシア、パプア州、西パプア民族解放軍(TPNPB)の戦闘員(Getty Images)

インドネシア当局は7日、西パプア州の分離主義勢力がニュージーランド人を人質に取ったと明らかにした。

AP通信によると、人質に取られたのはNZ国籍の男性パイロット。西パプア州の隣の地域に物資を運ぶ途中、拘束されたという。

男性が操縦していた小型機は山岳地帯の飛行場に着陸した際、攻撃を受け、火を付けられたと伝えられている。

幼い子供を含む乗客5人は解放されたとみられる。

地元メディアによると、「西パプア民族解放軍(TPNPB)」が犯行声明を出し、インドネシア政府が西パプア州の独立を認めなければ、男性を処刑すると警告した。

政府は西パプア州とパプア州に多くのジャワ人を移住させ、経済開発を進めている。

インドネシア領パプア(旧オランダ領)はインドネシア本島とは民族的・文化的に大きく異なる。パプアの先住民族であるパプア人とインドネシア当局の対立は半世紀以上続いており、解決する見通しはまったく立っていない。

TPNPBや反政府組織「自由パプア運動(OPM)」などはパプアの分離独立を目指している。

地元メディアによると、警察は捜査を開始しているものの、男性が拉致された地域には道路が通っておらず、対応に苦慮しているという。

地元メディアはTPNPBの報道官の声明を引用し、「インドネシア政府がパプアの独立に関する交渉に応じない場合、パイロットは処刑される」と報じた。

NZ政府は8日、在インドネシア・NZ領事館と連絡を密に取り、パイロットの家族に支援を提供していると声明を出した。

AP通信によると、男性は地元の航空会社スシ・エアーのパイロットだという。

同社の代表はソーシャルメディアに声明を投稿。「捕まった男性の解放に向け、関係機関と連絡を取り合っている」と明らかにした。

インドネシア政府は国連が主導した1969年の投票でパプアを編入。それ以来、西パプア州とパプア州では暴力的な反政府運動が展開されている。

昨年3月にはOPMの戦闘員とみられる男たちが通信塔を修理していた技術者8人を射殺。2018年12月には建設作業員と兵士少なくとも31人が殺害された。

インドネシア、反政府組織「自由パプア運動」の戦闘員(Getty Images)
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