◎ロックダウンは3日の現地時間18時に始まり、政府は48時間ごとに感染状況を精査し封鎖を解除するかどうかを決める。
2022年1月27日/トンガ、首都ヌクアロファの港に停泊したオーストラリア海軍の艦艇(Robert Whitmore/Australian Defence Force)

2月3日、トンガは先月の津波被害の支援作業にあたっていた港湾職員2人がコロナウイルスに感染したことを受け、現地時間の18時にロックダウンされる予定である。

フンガ・トンガ島とフンガ・ハアパイ島の間に位置する火山フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイの活動は昨年末頃から活発化し、1月15日に大噴火した。噴火後に発生した津波は太平洋全域に到達し、これまでにトンガで3人、ペルーで2人の死亡が報告されている。

シャオシ・ソバレニ首相は2日の声明で港湾職員2人が検査で陽性を示したと明らかにした。現地メディアによると、当局はその後の検査で新たに3人の陽性を確認し、陽性者は合わせて5人になったという。

トンガは2020年の初めに国境を封鎖し、昨年10月にチャーター便を受け入れた際、陽性を1件報告していた。トンガの医療体制は先進国と比べると脆弱で、首都ヌクアロファのあるトンガタプ島以外の医療資源は限られている。

オーストラリア、ニュージーランド、日本、イギリス、中国などは船舶と航空機で支援物資を届けている。これらの国々はトンガ政府の要請に基づき、現地の職員と接触することなく物資を届け、トンガ当局は搬入された物資を3日間隔離したのち、開封していた。

しかし、物資を搬入したオーストラリアの重巡洋艦HMASアデレードの乗組員数十人がコロナに感染していたことが判明し、非接触型の支援でもオミクロン株は広がる可能性があると懸念されていた。

HMASアデレードは首都ヌクアロファの港に停泊し、非接触で物資を届けた。トンガ政府によると、感染経路は調査中だが、アデレードのコロナが島に持ち込まれた可能性は低いという。

オーストラリア国防軍は2日、「アデレードで陽性を示した乗組員は、トンガの港湾職員2人とは別の港で任務にあたっていた」と明らかにし、アデレードのコロナが島に入ったという証拠は今のところ確認されていないと述べた。

支援任務を指揮するビルトン中将もオーストラリアのメディアに対し、「乗組員はトンガの港湾職員と一切接触していない」と強調した。

またビルトン中将は、トンガの患者のウイルスサンプルを持ち帰り、オーストラリアの医療機関で感染経路を調査すると述べた。

ロックダウンは3日の現地時間18時に始まり、政府は48時間ごとに感染状況を精査し封鎖を解除するかどうかを決める。

トンガ、キリバス、ソロモン諸島などの太平洋諸島の島国は厳しい国境管理を徹底することでコロナの侵入を防いできた。しかし、キリバスも先月初めてオミクロン株の侵入を許し、その他の島でも感染が報告されている。

トンガとフィジーを結ぶインターネットケーブルの復旧作業は1~2週間以内に完了する予定と伝えられている。

our world in dataによると、コロナワクチンの2回目接種を終えた人は島民(約10.6万人)の約60%。

2022年1月27日/トンガ、首都ヌクアロファの港、オーストラリア海軍が運び込んだ支援物資(Robert Whitmore/Australian Defence Force)
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