◎香港当局は今年、天安門事件関連のイベントを完全に禁じ、公園などで小さな集まりを開催することすらできなくなった。
米国のブリンケン(Antony Blinken)国務長官は3日、1989年6月4日に北京の天安門広場で発生した大量虐殺事件を「決して忘れない」と表明し、中国共産党の弾圧に立ち向かう香港の民主活動家への揺るぎない支持を再確認した。
中国共産党は天安門広場で繰り広げられた血生臭い虐殺事件の詳細を公表しておらず、犠牲者数も明らかにしていない。
権利団体は数千人が殺されたと主張し、2017年に機密解除されたイギリスの文書は、少なくとも1万人が死亡したと推定している。
共産党は西側の主張を却下し、「天安門事件?」「内政干渉だ」「数十人が軽症を負った」などと主張している。
ブリンケン氏は大量虐殺から33年を迎えるにあたり、声明で、「民主主義を求めた勇敢な個人の努力が忘れられることはない」と述べた。「毎年、私たちは基本的人権のために立ち上がった人々を称え、記憶しています。今、自ら声を上げることは難しくなりましたが、米国を含む世界中の多くの人々が彼らの代わりに立ち上がり、民主主義と個人の権利を促進するための平和的努力を支援し続けます」
天安門に押し寄せた抗議者たちは政治改革だけでなく、共産党の経済への対応や汚職に不満を抱いていた。結果、抗議者たちは「反革命分子」として排除され、中国でこの事件について語ることはタブーとなった。
しかし、香港では例年、この事件を語り継ぐ式典が各地で開催され、2019年には数万人がビクトリア公園に押し寄せた。
中国共産党の犬である香港当局は今年、イベントを完全に禁じ、公園などで小さな集まりを開催することすらできなくなった。
この集会を主催していた市民団体は昨年解体され、一部の関係者は裁判の真っ最中である。
事件の記録をまとめた小さな博物館の写真や展示品もすべて撤去され、香港大学の中庭に設置されていた犠牲者を偲ぶ像「恥の柱」も共産党に持ち去られてしまった。
人権団体は2020年に施行された「国家安全維持法」が香港の自由と権利を破壊したと非難している。
この法律は破壊活動、テロリズム、外国勢力との共謀、分離独立を企てたとみなされる様々な活動を厳しく取り締まり、違反した者は終身刑に処される可能性がある。
香港当局は2019年に発生した犯罪者を本土に引き渡すことに反対する大規模なデモ、政治改革を求める声、数カ月におよび抗議活動を「反逆罪に等しい蛮行」と非難し、国安法が香港に安定を取り戻したと主張している。
ブリンケン氏は「民主主義と自由を求める闘いは香港に響き続けている」と述べた。「中国の人々、そして不正義に立ち向かい自由を求め続ける人々へ、私たちは6月4日を忘れません」
報道によると、台湾、イギリス、米国、日本、カナダ、オーストラリアなど、世界中で大小さまざまな追悼集会が開催される予定である。