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職務停止中のタイ首相が裁判所で証言、倫理違反の疑い

憲法裁判所は先月初め、ペートンタン首相に対する失職請求を受理。判決までの間、ペートンタン氏に職務停止を命じた。
タイのペートンタン首相(Getty Images)

タイのペートンタン(Paetongtarn Shinawatra、停職中)首相が21日、首都バンコクの裁判所にオンラインで出廷し、カンボジアとの国境紛争の対応における倫理違反の疑いに関する証言を行った。

憲法裁判所は先月初め、ペートンタン氏に対する失職請求を受理。判決までの間、ペートンタン氏に職務停止を命じた。

ペートンタン氏は38歳。軍事クーデターで失脚したタクシン(Thaksin Shinawatra)元首相の娘であり、同国初の女性首相であるインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)元首相は同氏の叔母にあたる。

野党はペートンタン氏がカンボジアの影の支配者であるフン・セン(Hun Sen)前首相に国内情勢について相談し、軍幹部を軽視したとして、失職請求を提出した。

ペートンタン氏は6月、地元メディアがリークした電話会談で、フン・セン氏に対し、「国内で圧力に直面している」と述べ、カンボジアとの国境地帯でタイ軍を監督する将校を含めた「反対派」の意見に耳を傾けないよう求めた。

野党はペートンタン氏が軍幹部を「敵」と呼び、フン・セン氏に屈服したと非難。同氏を「売国奴」と呼び、辞任を要求した。

ペートンタン氏は国家元首でありながら、国を適切に守らなかったとして、職務怠慢の疑いがかけられている。

ペートンタン氏はフン・セン氏を「おじさま」と呼び、国境での衝突を避けるよう促したが、両国軍は7月下旬に衝突。数十人の死者を出したほか、26万人以上が避難を余儀なくされた。

ペートンタン氏とフン・セン氏の電話会談がどこからリークしたかは分かっていない。

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