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タイ25年1~9月の外国人観光客数、前年比7%減=観光庁

25年1月1日から9月7日までの外国人観光客数は2239万人。中国人が最も多く、316万人であった。
タイ、首都バンコクの繁華街(Getty Images/AFP通信)

タイ観光庁は9日、今年1月1日から9月初めまでの外国人観光客数が前年同期比で7.11%減少したと明らかにした。

それによると、25年1月1日から9月7日までの外国人観光客数は2239万人。中国人が最も多く、316万人であった。

政府は先月、今年の外国人観光客の予測を3700万人から3300万人に下方修正。パンデミック前の2019年には約4000万人という過去最高を記録していた。

タイの観光産業は同国経済における重要な柱の一つであり、GDPや雇用に大きく寄与している。

タイは東南アジアに位置し、豊かな自然、歴史的建造物、文化遺産、美食など多様な観光資源を有するため、世界中から年間数千万人の観光客を引き寄せている。

特に首都バンコク、プーケット、チェンマイ、パタヤなどは国際的に人気の高い観光地であり、都市型観光とビーチリゾート観光が両立しているのが特徴である。

タイの観光業は政府の積極的なプロモーション政策やインフラ整備によって発展してきた。

空港、鉄道、道路網の整備によりアクセスが向上し、国際線の就航増加や低コスト航空会社の普及によって訪問者数が拡大した。また、ビザ緩和や電子ビザの導入により、観光客の入国手続きが簡素化され、欧米やアジア諸国からの旅行者が増加している。

観光産業は直接的な経済効果に加え、関連産業にも波及している。ホテル、飲食、土産物販売、交通、ツアー運営などが雇用創出の中心となり、地方経済の活性化にも寄与している。さらに、観光収入は外貨獲得手段としても重要であり、国際収支の安定化に貢献している。

政府は「タイ・スマイル・ツーリズム」や「観光振興計画」を通じ、観光産業の持続的発展と質の向上を図っている。

一方で、観光産業は環境や社会への影響も抱えている。オーバーツーリズムによる自然環境破壊、ゴミ問題、交通渋滞、地域文化の商業化などが顕在化しており、観光の持続可能性が課題となっている。

また、コロナパンデミックの影響で外国人観光客が激減し、収入の大幅減少と雇用喪失が生じたことから、観光業の脆弱性も浮き彫りとなった。パンデミック後は国内観光の促進やデジタルマーケティングの活用、観光地の分散化などに取り組む動きが見られる。

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