◎南部の観光地プーケット島はロシア人に人気があり、政府の統計によると、2019~24年初めの間に9万人以上のロシア人が入国した。
タイ警察は5月31日、ロシア人を中心とする犯罪ネットワークを摘発し、100人以上を逮捕したと明らかにした。
それによると、2012年に入国した45歳のロシア人女性とタイ人女性がこのネットワークを運営し、270以上の会社を利用してタイに長期滞在する外国人を違法に手助けしていたという。
その多くが事業実態のないペーパーカンパニーであった。
外国人はタイで事業を営むことができるが、特定の場合を除き、タイ人のパートナーと共に事業を運営しなければならず、株式を49%以上取得することもできない。
摘発を主導した経済犯罪対策課の責任者は記者会見で、「被告らは労働許可証を取得するために、外国人をタイ人パートナーとの事業の株主としてリストアップしたり、タイ人が所有するダミー会社に雇用したりするサービスを提供していた」と説明した。
それによると、68人のロシア人を含む計98人の外国人および、ネットワークの運営に関与したとされるタイ人37人が逮捕されたという。
経済犯罪対策課の責任者は「31日時点で少なくとも50人の外国人が起訴された」と述べた。地元メディアによると、その多くが組織犯罪処罰法などに問われているという。
南部の観光地プーケット島はロシア人に人気があり、政府の統計によると、2019~24年初めの間に9万人以上のロシア人が入国した。
またプーケット島ではロシア人による会社登録が急増。2016~22年までは年間約30社であったのに対し、23~24年初めにかけては1600社以上の会社がロシア名で登録されたという。
ロシアによるウクライナ侵攻後、多くのロシア人が徴兵を逃れるために出国。アジアで最も人気のある国がタイとなっている。