タイの第2党が連立政権から離脱、ペートンタン首相に打撃
ペートンタン氏の支持率はカンボジアとの衝突でさらに低下。多くの有権者が政治経験が浅い同氏の対応に疑問を呈している。
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タイ連立政権の第2党である「タイの誇り党」が18日、政権から離脱した。
これにより、ペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相は69議席を失い、窮地に立たされた。
タイの誇り党はペートンタン氏とカンボジアの前首相であるフン・セン(Hun Sen)上院議員との電話会談の内容が漏洩した後、離脱を表明した。
ペートンタン氏は地元メディアがリークした電話会談で、フン・セン氏に対し、「国内で圧力に直面している」と述べ、カンボジアとの国境地帯でタイ軍を監督する将校を含めた「反対派」の意見に耳を傾けないよう求めた。
カンボジア軍は5月28日にタイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が銃撃したと主張。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。
この衝突は約10分間続き、カンボジア兵1人が死亡。現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じた。
ペートンタン氏の支持率はこの衝突でさらに低下。多くの有権者が政治経験が浅い同氏の対応に疑問を呈している。
タイの誇り党は声明で、「我が党はタイの主権、領土の完整性、および利益をあらゆる面で守る軍隊と当局者を支援するため、すべてのタイ国民と協力していく」と述べた。
首相府は離脱に関するコメントを出していない。
タイの誇り党の離脱により、連立政権は危機的状況に陥り、支持率が低下する中、地元メディアはトランプ米政権との関税交渉で結果が出なければ崩壊する可能性もあると報じている。
タイはトランプ政権による関税の影響を強く受ける国のひとつであり、90日間の一時停止措置が7月9日に切れると、36%の相互関税が課されることになる。
カンボジア政府は今週初め、タイが両国間の国境紛争に関連する制限を解除しない場合、タイ産の果物と野菜の輸入を停止すると警告した。
両国は1907年にカンボジアがフランスの植民地だった時代に策定された国境をめぐり、1世紀以上にわたって争ってきた。