▽タイの刑法はカジノやギャンブルを禁じているが、全国各地でサッカー賭博や地下カジノなど、非合法のギャンブルビジネスが横行。巨額の資金が動いている。
タイ政府は13日、ギャンブルとカジノを合法化する法案を閣議決定した。
ペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相は声明で、「この法案は観光業を劇的に強化するだけでなく、カジノを合法化している近隣諸国に対抗するためにも必要不可欠だ」と述べた。
法案は数日中に国会に送られ審議入りする予定。
タイの刑法はカジノやギャンブルを禁じているが、全国各地でサッカー賭博や地下カジノなど、非合法のギャンブルビジネスが横行。巨額の資金が動いている。
国営の競馬や宝くじなど、一部のギャンブルは許可されている。
一方、隣国のカンボジア、シンガポール、フィリピン、ラオス、ミャンマーは大規模なカジノ施設から莫大な恩恵を受けている。
タイ政府はギャングルを求める観光客がこれらの国々に流れていると指摘。合法的なカジノがないことは収益に背を向け、観光の潜在力を発揮できていないことを意味すると主張している。
観光業は東南アジア第2の経済大国であるタイを支える重要な原動力である。政府は今後数年間で記録的な観光客数を見込んでいる。
ペートンタン氏は合法化によって外国人観光客数が5~10%増加、観光収入が約1200億~2200億バーツ(約5400億円~1兆円)増加するという見通しを示している。