タイとカンボジア、国境部隊を定位置に戻すことで合意
両国は1907年にカンボジアがフランスの植民地だった時代に策定された国境をめぐり、1世紀以上にわたり争ってきた。
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カンボジア国防省は8日、タイ国境で先月末に発生したタイ軍との衝突でカンボジア兵1人が死亡した事件について、部隊を以前の国境位置に戻すことでタイ側と合意したと発表した。
カンボジアは5月28日にタイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が射撃を開始したと主張。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。
この衝突は約10分間続き、現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じた。
カンボジア国防省は声明で、「双方が緊張の緩和を望んでいる」と述べた。
タイ政府も声明を発表。「緊張を緩和するための協議を進めており、2024年に合意した位置まで部隊を戻すことで合意した」と明らかにした。
両政府はこの数日、平和的な解決を目指すとの姿勢を示していた。
タイ政府のデータによると、タイはカンボジア国境に17の国境検問所を設置。両国が共有する817キロメートルの国境沿いに位置する7つの県にまたがっている。
両国は1907年にカンボジアがフランスの植民地だった時代に策定された国境をめぐり、1世紀以上にわたり争ってきた。
タイのペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相は両国が6月14日に開催される会議を含む二国間協議を通じて、国境問題を完全に解決することを希望していると表明した。