タイのカンボジア国境で地雷爆発、兵士3人負傷
両国は先月、国境沿いで5日間に渡って衝突。空爆・砲撃の応酬となり、30人以上が死亡、26万人以上が避難を余儀なくされた。
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タイ軍は9日、カンボジア国境沿いの係争地周辺をパトロールしていた軍兵士が地雷を踏み、3人が負傷したと発表した。
それによると、事件はシーサケット県のカンボジア国境近くで発生した。
タイ軍は声明で、カンボジア軍が地雷を敷設したと主張。「カンボジアは国境地域で依然として武器を使用し、オタワ条約に明白に違反していることを示している」と述べた。
オタワ条約(対人地雷禁止条約)は1997年署名、1999年に発効した。米国、ロシア、中国、インド、パキスタン、韓国など、現在および過去に地雷を製造・使用した国々が未加盟である。カンボジアとタイは加盟している。
タイ外務省は別の声明で、「この事件はカンボジアが国際法に明白に違反して新たな地雷を敷設したことを裏付けている」と非難した。
また同省は過去1カ月間に同様の事件が2件確認されていると明らかにした。
カンボジア側は地雷を敷設したというタイ側の主張を否定。「我々は新たな地雷を敷設しておらず、今後も設置しない」と述べ、カンボジアはオタワ条約の締約国であり、「この無差別兵器を敷設ではなく撤去したという国際的に認められた記録がある」と指摘した。
両国は先月、国境沿いで5日間に渡って衝突。空爆・砲撃の応酬となり、30人以上が死亡、26万人以上が避難を余儀なくされた。
両国はその後、マレーシアなどの仲介で無条件の停戦で合意。7月29日に発効した。
カンボジアでは1998年に終結した内戦の間、400万~600万個の地雷や不発弾が全国に敷設・散乱したと推定されている。
カンボジアのメディアによると、内戦終結以来、2万人近くが地雷や不発弾の爆発により死亡、約4万5000人が負傷したという。
カンボジア地雷対策センター(CMAC)などが地雷や不発弾の除去を進めた結果、その犠牲者は2000年の858人から2023年には32人にまで減少した。
カンボジアの地雷除去作業員は世界で最も経験豊富と言われ、過去10年間で数千人が国連の支援を受けアフリカや中東に派遣されている。