◎薬物の出自は明らかにされていないが、国連の専門家は東南アジアで流通する薬物の多くがタイの隣国ミャンマーで製造されたものと推定している。
タイ国家警察は28日、820万ドル(約12億2500万円)相当の覚せい剤、メタンフェタミン、ヘロインを含む違法薬物を押収したと発表した。
それによると、麻薬取締局は首都バンコク西部の地区にある民家を20日遅くに家宅捜索し、メタンフェタミンの錠剤約1500万錠、ヘロイン443包、メタンフェタミンの結晶約420キロ、覚せい剤を含む液体数トンなどを押収し、4人を現行犯逮捕したという。
警察は声明で「逮捕した男4人はこの借家で薬物を管理し、密売の拠点にしていたことを認めた」と明らかにした。
麻取は現地メディアに押収した薬物を公開している。
警察によると、今回の摘発量は過去最大規模で、数年前に逮捕した麻薬密売組織の構成員の情報に基づき、2年にわたって捜査を行ったという。
薬物の出自は明らかにされていないが、国連の専門家は東南アジアで流通する薬物の多くがタイの隣国ミャンマーで製造されたものと推定している。
国連薬物犯罪事務所(UNODC)の担当官は28日、AP通信の取材に対し、「バンコク西部の取り締まりは大きな成果と言えるが、ミャンマーの状況が改善されない限り、この地域から麻薬を撲滅することは不可能である」と語った。