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タイ憲法裁判所、ペートンタン首相を罷免、騒動に終止符

憲法裁は先月初め、ペートンタン氏に対する失職請求を受理。判決までの間、ペートンタン氏に職務停止を命じた。
タイのペートンタン首相(Getty Images)

タイの憲法裁判所が29日、ペートンタン(Paetongtarn Shinawatra、停職中)首相を罷免した。

憲法裁は先月初め、ペートンタン氏に対する失職請求を受理。判決までの間、ペートンタン氏に職務停止を命じた。

ペートンタン氏は38歳。軍事クーデターで失脚したタクシン(Thaksin Shinawatra)元首相の娘であり、同国初の女性首相であるインラック・シナワット(Yingluck Shinawatra)元首相は同氏の叔母にあたる。

憲法裁はペートンタン氏が隣国カンボジアのフン・セン(Hun Sen)上院議員との電話会談において、国家元首の倫理に関する憲法規定に違反したと判断した。

この判決により、ペートンタン氏は即座に罷免された。

カンボジア軍は5月28日にタイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が銃撃したと主張。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。

この衝突は約10分間続き、カンボジア兵1人が死亡。現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じた。

ペートンタン氏はその後、地元メディアがリークした電話会談で、フン・セン氏に対し、「国内で圧力に直面している」と述べ、カンボジアとの国境地帯でタイ軍を監督する将校を含めた「反対派」の意見に耳を傾けないよう求めた。

野党と反対派はペートンタン氏が軍幹部を「敵」と呼び、フン・セン氏に屈服したと非難。同氏を「売国奴」と呼び、辞任を要求した。

このリークでペートンタン氏が軍を軽視していることが明らかになり、野党だけでなく、連立政権からも辞任を求める声が高まった。

連立政権の第2党であった「タイの誇り党」はリークを受け、政権から離脱。これにより、ペートンタン氏は69議席を失い、内閣改造を余儀なくされた。

一連の騒動後、タイとカンボジア両軍は7月23日、国境沿いの複数の地域で衝突した。

両国はその後、マレーシアなどの仲介により無条件の停戦で合意。7月29日に発効した。

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