タイ・ペートンタン内閣改造、「連立堅固である」と強調

連立政権の第2党であった「タイの誇り党」は先週、政権から離脱。これにより、ペートンタン氏は69議席を失い、内閣改造を余儀なくされた。
タイのペートンタン首相(AP通信)

タイのペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相が24日、内閣改造を終え、連立政権が堅固であることをアピールした。

ペートンタン氏は記者会見で、「再編は完了し、すべての政党のリーダーと話し合い、人事審査が進められている」と語った。

連立政権の第2党であった「タイの誇り党」は先週、政権から離脱。これにより、ペートンタン氏は69議席を失い、内閣改造を余儀なくされた。

ペートンタン氏は国防相を兼任するという憶測を否定。「隣国カンボジアとの問題は政府の最優先課題のひとつである」と強調した。

タイの誇り党はペートンタン氏とカンボジアの前首相であるフン・セン(Hun Sen)上院議員との電話会談がリークされた後、離脱を表明した。

ペートンタン氏は地元メディアがリークした電話会談で、フン・セン氏に対し、「国内で圧力に直面している」と述べ、カンボジアとの国境地帯でタイ軍を監督する将校を含めた「反対派」の意見に耳を傾けないよう求めた。

カンボジア軍は5月28日にタイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が銃撃したと主張。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。

この衝突は約10分間続き、カンボジア兵1人が死亡。現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じた。

ペートンタン氏の支持率はこの衝突でさらに低下。多くの有権者が政治経験が浅い同氏の対応に疑問を呈している。

反対派はペートンタン氏がカンボジアで最も強力な政治家であるフン・セン氏に国内情勢について相談し、軍幹部を軽視したことを非難している。

ペートンタン氏はフン・セン氏の圧力に屈し、タイ軍の幹部を軽視。野党はこれを「売国行為」と呼び、解散総選挙を要求した。

与党・タイ統一党(UTN)は以前、連立を維持する見返りにペートンタン氏に辞任を要求すると示唆していた。

ペートンタン氏はトランプ米政権との関税交渉でも成果を求められている。

タイはトランプ政権による関税の影響を強く受ける国のひとつであり、90日間の一時停止措置が7月9日に切れると、36%の相互関税が課されることになる。

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