タイとカンボジア、国境係争地から部隊撤退、銃撃戦で緊張高まる

両国は長い間、国境沿いの係争地を争ってきた。
タイとカンボジアの国境、話し合うタイとカンボジアの兵士たち(Getty Images/AFP通信)

タイとカンボジアの軍最高司令官は29日、両国の国境で前日に発生した一時的な衝突でカンボジア兵士1人が死亡した事件について、部隊を撤退させることで合意した。

カンボジアは28日、タイ国境沿いでパトロールを実施していたところ、タイ側が射撃を開始したと明らかにした。タイ軍はカンボジア兵が国境沿いの係争地に侵入したため、威嚇射撃を行い、カンボジア兵が反撃したため応戦したと説明している。

タイ軍によると、衝突は約10分間続き、現地の指揮官が互いに連絡を取り合い攻撃をやめるよう部隊に命じたという。

タイ軍の報道官は記者会見で、「陸軍大将がカンボジア側の最高司令官と国境検問所で会談し、亡くなったカンボジア兵に哀悼の意を表した」と語った。

それによると、双方が部隊を撤退させることで合意し、今後数週間以内に国境状況に関する調査委員会を通じて平和的な解決を模索するという。報道官は「両軍の部隊は既に衝突地域から後退した」と述べた。

タイのペートンタン(Paetongtarn Shinawatra)首相は29日、カンボジア国境の緊張改善に自信を示し、「両国が暴力を望まない点で一致した」と述べた。

カンボジアのフン・マネット(Hun Manet)首相はフェイスブックに声明を投稿。「両国の当局者がさらなる衝突を防止し、状況を正常化する」と述べた。またフン・マネット氏は「係争地を担当する部隊に増援を送る」とした。

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