SHARE:

タイ政府が新たな健康推進策「コーヒー・紅茶の砂糖半減」

タイ人の1日当たりの砂糖摂取量は小さじ21杯で、これは世界保健機関(WHO)が推奨する1日6杯の3倍以上に達している。
2026年2月11日/タイ、首都バンコクの通り(AP通信)

タイ政府は今週、国内の主要コーヒーチェーンと連携し、コーヒーや紅茶などの飲料に含まれる「標準的な甘さ」の砂糖量を従来の半分に引き下げる新たな健康施策を開始した。この取り組みは高い糖分摂取量を抑制し、肥満や糖尿病などの生活習慣病の増加を防ぐことを狙いとしており、保健省が主導している。

保健省によると、タイ人の1日当たりの砂糖摂取量は小さじ21杯で、これは世界保健機関(WHO)が推奨する1日6杯の3倍以上に達している。過剰な砂糖摂取は肥満や糖尿病、その他非感染性疾患のリスクを高めるとして、政府は生活習慣改善の一環として飲料の甘さを抑えるよう促している。

今回の新基準には、Café Amazon、Inthanin、All Café、Black Canyon、PunThaiなど国内の主要な9つの飲料チェーンが参加している。この参加チェーンではアイスコーヒーやミルクティーなど特定のドリンクを注文する際、顧客が特に希望しない限りデフォルト(標準)で提供される砂糖量が従来の50%になる。顧客が従来の甘さ(100%)を希望する場合は、注文時にその旨を伝えれば対応可能だとしている。

保健省はこの施策を「消費者の砂糖摂取行動を変えるための初めての重要なステップ」と位置付けた。また最新の統計データとして、15歳以上の成人の約45%が肥満、約10%が糖尿病と診断されていることを挙げ、高糖分飲料が国民の健康に深刻な影響を及ぼしているとの認識を示した。

調査によると、約650ミリリットルのアイスコーヒーは平均で小さじ9杯、300ミリリットルのミルクティーは小さじ12杯もの砂糖を含むことがあるという。こうした高い糖分量が日常的な砂糖過剰摂取に拍車をかけているとみられている。

消費者の反応は分かれており、ある会社員の女性は「すでに砂糖を25%で注文しているので、この変更はタイ人の健康に良い」と支持する一方、別の会社員男性は「従来の甘さが好きだが、店側が甘さを下げるなら受け入れる」と述べた。しかし、施策の実施方法に関しては各ブランドが独自に対応するため、甘さの調整方法や対象商品に違いがあるとして、一部の顧客から混乱の声も上がっている。

この減糖施策はタイ政府が進める「砂糖税」政策と連動しており、日常的に消費される飲料の糖分削減により国民の健康負担を軽減する狙いがあると見られている。ただし、消費者が従来の甘さを注文する場合も選択肢として残されているため、糖分摂取全体の大幅な低減には時間がかかる可能性も指摘されている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします