◎共産党は中国向けのリトアニア産ラム酒の輸入を恣意的に阻止した。
台湾の現地メディアによると、政府は中国向けのリトアニア産ラム酒2万本を購入し、国民にラム酒を料理などに活用するよう促したという。
国営の紙巻たばこおよびアルコールの製造販売業者である台湾菸酒公司(TTL)は、中国向けのリトアニア産ラム酒が共産党の嫌がらせで行き場を失ったことを受け、購入に踏み切った。
旧ソ連構成国とは思えないほど民主的なリトアニアは昨年、首都ビリニュスに事実上の大使館である台湾駐在員事務所を開設し、事務所の表記をチャイニーズ・タイペイではなく「台湾」とすることに合意した。
開設から数日後、中国はリトアニアとの外交関係を格下げした。
台湾は完全な独立民主国家だが、共産党はそれを中国の一部と主張し、圧力を強めている。
国営の中央通訊社(CNA)は5日、「TTLは財務省とリトアニア事務所から要請を受けた」と報じた。それによると、共産党は中国向けのリトアニア産ラム酒の輸入を恣意的に阻止したという。
またCNAは、「TTLは中国向けのリトアニア産ビールが同様の問題に直面したことを踏まえ、リトアニアの要請に誤りはないと判断した」と報じた。
台湾の国家開発評議会は5日、フェイスブックに「リトアニアのラム酒は共産党の慣習(敵国に対する嫌がらせ)を通り抜けることができなかった」と投稿した。
国家開発評議会は投稿の中で国民にリトアニア産ラム酒を購入するよう促し、料理のレシピを共有した。担当者によると、おすすめはラム酒とジンジャービールを混ぜたダーク&ストーミーカクテルや、ラム酒を使ったフレンチトースト、ステーキ、ホットチョコレートだという。
国家開発評議会はリトアニアとの関係についても言及した。両国は協力関係に関する覚書に署名し、二国間貿易会議も主催したという。
一方、中国はリトアニアに貿易制裁を科したという告発を却下した。政府間の関係に基づく貿易阻止は世界の貿易ルールに違反している。
EUを統括する欧州委員会もリトアニアの要請に基づき、輸入品が中国の税関で行き詰まっていることを確認したと報告した。
欧州委員会はリトアニアに代わって中国に抗議し、世界貿易機関(WTO)に問題を解決するよう要請している。欧州の主要メディアは、「リトアニアの企業やトレーダーは共産党の嫌がらせに苦しめられている」と報じた。
共産党は政治的に対立する国に貿易制裁を科すクセがあり、オーストラリアの牛肉、ワイン、大麦なども嫌がらせに直面している。
台湾のリトアニア事務所のエリック・ファン代表は5日、リトアニア向けの投資ファンドを創設し、同盟国を支援すると発表した。「ファンドはリトアニアの半導体、レーザー技術、バイオテクノロジー、その他の主要産業を支援します...」
ファン代表は記者団に、「リトアニアを助ける準備はできている」と述べ、共産党はリトアニアの輸入品を恣意的に止めていると非難した。「120以上のコンテナが海上で立ち往生しています。被害総額は少なくとも150万ユーロ(2億円)にのぼると見積もられています。台湾をそれらをすべて受け入れ、リトアニアの企業を支援します」
これに対し、中国外務省の趙立堅(ちょうりつけん)報道官は5日の会見で台湾の主張を「虚偽のニュース」と呼び、非難した。「私たちがEUの多国籍企業に圧力をかけたという主張はすべて虚偽です。台湾は無責任な発言をやめるべきです...一部の中国企業はリトアニアを信頼できるパートナーと見なしていないと聞いています」