台湾、F16戦闘機の納入年内開始見通し、80億ドル規模
F16Vは米航空宇宙大手ロッキード・マーチンが製造する戦闘機で、米政府は2019年に約80億ドル規模、66機の台湾への売却を承認した。
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台湾国防部は22日、米国の最新鋭戦闘機F16Vについて、遅れていた納入が年内に開始される見通しだと明らかにした。米国での生産が「フル稼働」に入ったことで、停滞していた供給がようやく前進する形となった。
F16Vは米航空宇宙大手ロッキード・マーチンが製造する戦闘機で、米政府は2019年に約80億ドル規模、66機の台湾への売却を承認した。この契約により、台湾のF16保有数は200機を超える見込みで、防空能力の大幅な強化が期待されている。
しかし、計画は当初から遅延に見舞われてきた。ソフトウエアの不具合や部品供給の混乱などが重なり、納入スケジュールは後ろ倒しとなった。台湾側は米国に対し、兵器供給の遅れに繰り返し懸念を示してきた経緯がある。
こうした中、台湾の高官がサウスカロライナ州の組立工場を訪問し、生産状況を視察した。現地では数百人規模の作業員が投入され、2交代制でフル稼働し、部品供給や人員面での「ボトルネックはない」と説明された。現在は最大能力で生産が進められているという。
一方、F16Vは台湾向けに特別仕様として開発された新型機であるため、引き渡しには慎重な試験飛行と調整作業が必要とされる。国防部は機体性能を最適化するための試験が継続していることも、遅延の一因だと説明している。
F16Vは最新のレーダーや電子装備、兵器システムを備え、中国空軍のステルス戦闘機J20などに対抗する能力を持つとされる。台湾はすでに旧型F16A/B戦闘機141機を同仕様に改修し、今回の新規導入と合わせて空軍戦力の近代化を加速させている。
台湾を巡っては、中国が自国の一部と主張し、軍事的圧力を強めている。台湾周辺では中国軍機の活動が常態化しており、地域の緊張が高止まりしている。こうした状況の下、米国は台湾にとって最大の武器供給国として、安全保障上の重要な後ろ盾となってきた。
近年はウクライナ戦争や中東情勢などの影響で、米国の防衛産業に負荷がかかり、各国向け兵器の供給遅延が問題となっていた。今回の生産正常化は、こうしたボトルネックの解消を示す動きともいえる。
もっとも、全66機の納入完了までにはなお時間を要する見通しで、台湾の防衛力整備は引き続き国際情勢や供給体制の影響を受ける可能性がある。台湾当局は米国と連携しつつ、装備調達の加速と戦力強化を進める方針だ。
