▽乗客乗員67人のうち38人が死亡、29人が病院に搬送された。
カザフスタン西部アクタウ近郊にアゼルバイジャン航空の旅客機が墜落した事故について、生存した客室乗務員は27日、飛行中に下から突き上げられるような衝撃を感じた直後、大きな爆発音を聞いたと証言した。
アゼルバイジャン航空8432便は25日、アゼルの首都バクーからロシア南部チェチェン共和国に向かう途中、アクタウに墜落。乗客乗員67人のうち38人が死亡、29人が病院に搬送された。
アゼルバイジャン国籍の客室乗務員はABCニュースの取材に対し、「グロズヌイ(チェチェンの首都)上空を飛行中に下から突き上げられるような衝撃を感じた直後、3回、ドーンという大きな音を聞いた」と語った。
それによると、気づいた時には床に倒れ、出血していたという。「外からドーンという大きな音が立て続けに3回聞こえた後、気が付いたら床に倒れていました...」
この客室乗務員はアクタウの病院に搬送され、その後、バクーの病院に移された。
乗務員はABCに、「機長は爆発後、近くの空港に着陸を要請をしたが、断られ、カザフに迂回し、その後、墜落した」と語った。
墜落時の状況はほとんど覚えていないという。
同じく生還した男性の乗客は27日、ロイター通信の取材に対し、「機体が大きく揺れた直後に外からバーンという大きな音が聞こえ、酸素マスクが落ちてきた」と語った。
また男性は「もうダメだと思い、ベルトをきつく締め、神に祈った」と述べた。
男性は墜落時の状況について、「体が前後に大きく揺れ、その後静かになり、自分が生きていることに気づいた」と語った。
ロシア当局は当初、バードストライク(鳥の衝突)によりエンジンが損傷し緊急着陸を余儀なくされたと発表していた。
しかし、墜落した機体の尾翼部分に目に見える損傷があることから、ロシアの防空システムが原因という疑惑が浮上。カザフとアゼル当局は回収したフライトレコーダーを分析するなどして、墜落の原因を調べている。