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パキスタン首都のモスクで自爆テロ、31人死亡、160人負傷

爆発が起きたのはイスラマバード南東部の地区にあるシーア派モスクで、信者らが礼拝する建物内で何者かが爆弾ベストを起爆した。
2026年2月6日/パキスタン、首都イスラマバード、自爆テロが発生したシーア派モスク(AP通信)

パキスタン・イスラマバード郊外にあるシーア派モスクで6日、金曜礼拝の最中に自爆テロが発生し、少なくとも31人が死亡、160人以上が負傷した。地元警察によると、爆発は礼拝が始まった直後に起きたという。負傷者の中には重傷者も含まれ、死者数はさらに増える可能性がある。現場周辺の病院では救急隊や住民が負傷者を運び込み、混乱した状況が続いている。

爆発が起きたのはイスラマバード南東部の地区にあるシーア派モスクで、信者らが礼拝する建物内で何者かが爆弾ベストを起爆した。

目撃者の男性はAP通信の取材に対し、「ものすごい爆発音が聞こえ、モスクに入ると、大勢が血まみれで倒れていた」と語った。

当局は爆発について自爆攻撃と断定して調査を進めているが、犯行声明は出ていない。警察の発表では、モスクの守衛が侵入者を止めようとした際、容疑者が発砲し、その後、爆弾を起爆したとされる。同国最大のイスラム過激派TTP(パキスタンのタリバン運動)やイスラム国(ISIS)は過去にシーア派を標的にしてきたことから、これらの勢力が関与しているという見方が強まっている。

シーア派はパキスタン国内では少数派であり、宗派間の対立を背景にした暴力事件が散発的に発生してきたが、首都での大規模な自爆テロは非常に稀である。2008年にイスラマバードのホテルで起きた爆破事件も多くの死傷者を出した。

シャリフ(Shehbaz Sharif)首相やザルダリ(Asif Ali Zardari)大統領はそれぞれ声明を出し、犠牲者とその遺族に哀悼の意を表明した。また、負傷者に対して全力で医療支援を行うよう指示し、関係機関に対して徹底した捜査と責任者の特定を求めた。ザルダリ氏は「無実の市民を狙った攻撃は人道に対する罪であり、断じて許されない」と強調した。

モスクの指導者もテロ行為を強く非難し、当局の安全対策の不備を指摘した。また市民に輸血への参加を呼びかけ、負傷者の治療に必要な血液の確保を急ぐよう訴えた。

この攻撃は同国で最近増加している過激派による暴力のひとつとみられている。先週には南西部バルチスタン州で分離主義勢力による襲撃が発生し、200人以上が死亡した。また先月にはイスラマバード近郊の裁判所付近でも自爆とみられる爆発が起き、治安の脆弱性が浮き彫りになっている。

国際社会からも非難の声が上がっており、複数の国や国際機関がパキスタン政府に連帯を示す声明を出している。専門家は今回の事件が宗派間の緊張をさらに高める可能性があるとして、包括的な治安対策と宗派対話の必要性を指摘している。

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