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ミャンマー軍が「KKパーク」破壊、1500人以上がタイ側に逃亡

KKパークはタイ国境近くのカレン州ミャワディに位置する巨大な詐欺拠点である。
2025年10月25日/ミャンマー、カレン州ミャワディの巨大詐欺拠点KKパーク(AP通信)

タイ当局は28日、隣国ミャンマーにおける詐欺拠点摘発作戦がひと段落し、ミャンマー側から逃れてくる市民が減少していると報告した。

ミャンマー国軍は先週、タイ国境付近にあるオンライン詐欺拠点を急襲し、2000人以上を拘束したとされる。

この影響により、この1週間で1500人以上がタイ側に逃れた。

ミャンマー国営放送(MRTV)によると、軍はタイ国境近くのカレン州ミャワディにある巨大詐欺拠点「KKパーク」の一部を粉々に破壊したという。

ミャワディの大部分は反体制派の支配下にあり、タイ国境はカレン族系民兵が管理している。

AP通信はタイ当局者の話しとして、「KKパークでは数日前から爆発音や銃声が鳴り響き、あちこちで黒煙が上がっている」と報じた。

タイの地元住民によると、24日から27日にかけて何度も大きな爆発音が聞こえたという。死傷者の情報はない。

タイ当局は27日の声明で、「ミャンマー軍とその同盟組織であるカレン民兵の攻撃により、KKパークの一部が破壊された」と発表した。爆発の破片により、タイ側国境の複数の家屋にも被害が出たという。

MRTVによると、軍政は9月初旬からオンライン詐欺、違法賭博、越境サイバー犯罪の取り締まり作戦を開始。その一環として、悪名高いKKパークを急襲した。

MRTVが先週報じた写真には電子機器を押収する兵士たちの姿が写っていた。いつ撮影されたかは分かっていない。

KKパークはタイ国境近くのカレン州ミャワディに位置する巨大な詐欺拠点である。

ここではオンライン投資詐欺、ロマンス詐欺、仮想通貨詐欺などが大規模かつ組織的に行われており、「詐欺工場」とも呼ばれている。

運営には中国系犯罪組織や武装勢力が関与しているとされ、数千人規模の労働者が働かされているとみられる。

多くの外国人が「高収入の仕事」として偽の求人で誘い出され、パスポートを没収されたうえで監禁・強制労働を強いられている。

日本人を含む多くの市民が被害に遭っており、国際的な人身売買・詐欺の温床となっている。

2025年には国軍や国境警備隊による摘発が進み、数千人が保護されたが、施設の摘発や関係者の処罰は依然として不十分であり、問題の根は深い。

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