◎登録有権者は約1700万人。結果は22日夜に発表される予定だ。
インド洋の島国スリランカで21日、大統領選の投票が始まった。
選挙は38人の候補者によって争われ、地元メディアの世論調査によると、現職のウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領と野党党首プレマダーサ(Sajith Premadasa)氏の一騎打ちになる見通し。
登録有権者は約1700万人。結果は22日夜に発表される予定だ。
スリランカは2年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。当時の負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。
この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府や首相府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。
同国で国政選挙が行われるのは22年の破産宣言以来初。今回の選挙はウィクラマシンハ氏の経済改革の是非を問う信任投票とみなされている。
ウィクラマシンハ氏は国際通貨基金(IMF)の支援を受けながら債務再編を進めてきた。
政府は19日、民間債券保有者と基本合意に達し、「債務再編の最終ハードルを越えた」と発表した。
デフォルト時の国内債務と対外債務は総額830億ドルであったが、政府はこのうち、170億ドル以上を再編したとしている。
再選を目指すウィクラマシンハ氏は2048年の独立100周年までにスリランカを先進国にするという野心的な目標を掲げ、選挙戦に臨んだ。
地元メディアによると、GDPを含む主要経済指標はこの2年で大幅に改善したにもかかわらず、人口の大多数を占める低中所得者層は高い税金とインフレに悩まされている。
IMFはウィクラマシンハ政権の財政健全化プログラムを支持しているが、国民がこれに納得しているかどうかは今回の選挙で明らかになるだろう。