◎ディサナヤケ氏は就任後初の外遊先に中国ではなくインドを選んだ。
2024年12月16日/インド、首都ニューデリー、モディ首相(右)とスリランカのディサナヤケ大統領(AP通信)

インド洋の島国スリランカディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayake)大統領が16日、訪問先のインド・ニューデリーでモディ(Narendra Modi)首相と会談した。

ディサナヤケ氏は就任後初の外遊先に中国ではなくインドを選んだ。

モディ氏は共同記者会見で、両国を電力網と石油パイプラインで結び、国家間の投資と商業のつながりをさらに強化すると表明した。

ディサナヤケ氏は外相らを率いて首脳会談に臨み、インドとの連携強化について話し合った。会談には両国の外相や安全保障顧問なども参加した。

ディサナヤケ氏は記者団に対し、「スリランカはインドの利益を損なうような投資を望まないし、政治的な駆け引きを避け、ウィンウィンな関係を構築できると確信している」と語った。

またディサナヤケ氏はインドとの関係について、「確実に発展すると同時に、継続的な支援を再確認したい」と述べた。

インドはスリランカにおける中国の支配力拡大への懸念が高まる中、新政権および前政権との経済・防衛関係を拡大してきた。

スリランカは2年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。当時の負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。

この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府や首相府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。

最大の融資国であった中国はこの危機で信用を失い、インドはこの危機に乗じてスリランカとの連携強化に成功した。

スリランカはインド洋を横切る主要海上交通路に近接し、アジア、中東、アフリカ、欧州地域をつなぐ場所に位置するため、国際物流の新たな拠点として近年、注目を集めている。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク