SHARE:

スリランカ首都で野党集会、数千人参加、政権交代以来初

野党は昨年9月の大統領選挙と11月の議会選挙で大敗を喫して以来、勢力の再構築を目指している。
2025年11月21日/スリランカ、首都コロンボで開催された野党集会(AP通信)

インド洋の島国スリランカの首都コロンボで21日、野党集会が開催され、数千人の支持者が参加した。

デモ参加者は与党・人民解放戦線(NPP)のディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayake)大統領に対し、減税と秩序回復の公約を履行するよう要求した。

集会を主催した野党各党はディサナヤケ政権が昨年の選挙運動中の公約を果たせていないと非難。代わりに法執行機関を政治利用して野党を抑圧していると主張した。

また野党は政府が国民の安全をないがしろにした結果、ここ数ヶ月で犯罪が急増していると指摘した。

政府は麻薬組織間の抗争が相次いでいることは認めているものの、国民の命が危険に晒されているという野党の主張は否定している。

野党は昨年9月の大統領選挙と11月の議会選挙で大敗を喫して以来、勢力の再構築を目指している。

野党が弱体化する中、捜査当局は8月末、在任中に公金を不正に使用した疑いでウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)前大統領を逮捕した。

スリランカは3年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。当時の負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。

この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府や首相府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。

ラジャパクサ氏の後任に選ばれたウィクラマシンハ氏は24年9月の大統領選でディサナヤケ氏に敗れた。

ラジャパクサ氏の後継者であるナマル・ラジャパクサ(Namal Rajapaksa)氏は21日の集会でディサナヤケ氏が公約を破り、国民に厳しい税負担を求めていると非難した。

政府は電気料金の引き下げを含むいくつかの救済を提供したが、税率に対する国民の不満は高まる一方だ。

これは国際通貨基金(IMF)との約束に基づく取り組みのひとつであり、緊縮財政を維持しなければ、再び債務不履行に陥る可能性がある。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします