◎スリランカはデフォルト状態に陥っている。
スリランカ政府は28日、ロシア産石油製品の輸入を再開すると発表した。
同国の電力・エネルギー省によると、ロシアの原油や石油製品を積んだタンカーは1カ月以上沖合で待機しているという。
同省は声明の中で、9万トンのロシア産石油製品を購入するために7260万ドルを支払うと述べている。
また同省は原油やその他の石油製品を輸入するために、ロシアを含む複数の国と協議していることも明らかにした。
スリランカは破産寸前の状態で、500億ドルにのぼる対外債務のうち70億ドル近くを年内に返済しなければならない。しかし、外貨準備は底をつき、債務不履行に陥っている。
政府は食料、燃料、医薬品、調理用ガス、トイレットペーパー、その他のあらゆる輸入品の代金を支払えず、数カ月前から深刻な物資不足が続いている。
電力・エネルギー省の高官は記者団の取材に対し、「同省はロシア大使に、石油製品を供給するよう要請した」と語った。「原油で国民の要求を満たすことはできません。もっとたくさんの石油製品が必要なのです...」
同国の国営石油会社の製油所は外貨不足の影響で3月に閉鎖された。
現地メディアによると、首都コロンボの郊外にある製油所は数日以内に作業を再開し、ディーゼル日量1000トン生産する予定だという。
国内のガソリンスタンドには残りわずかと噂されている燃料や調理用ガスを求める長蛇の列ができている。
人々は記録的なインフレ、計画停電、食料や医薬品不足にも悩まされている。
国際通貨基金(IMF)は26日、スリランカを支援すると約束したが、まずは持続可能な債務処理計画を示す必要があるとした。
しかし、同国のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領はIMFを含む国際社会の支援が確定するまで債務の利払いを停止すると表明している。
政府はIMFの希望に応えるため、24日に燃料への補助金を打ち切った。ディーゼルの小売価格はこの半年で230%、ガソリンは130%値上がりしている。