◎スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
スリランカの首都コロンボで27日、警察の厳しい取り締まりに抗議するデモが開かれ、数千人が参加した。
報道によると、デモ隊は市内を行進し、公園で前政権を非難する集会を開催したという。
デモを主催した労働組合はSNSに、「政府は抗議者に対する暴力的な取り締まりや嫌がらせをやめろ」と投稿している。
デモに参加した男性はAP通信の取材に対し、「政府が国民の声に耳を傾けないのであれば、大統領府を占領する」と語った。「政府は今すぐラジャパクサを裁判にかけ、責任を追及し、収監しなさい」
スリランカは今年、返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
外貨が枯渇した結果、輸入食品・ガソリン・医薬品などの必需品が極端に不足している。
3月から本格化したデモは暴動に発展し、7月には大統領府が占領され、ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)前大統領を退陣に追い込んだ。
抗議者たちは首相官邸に火を放ち、他の主要な政府機関も占拠した。
後任のウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領はそれ以来、暴動を厳しく取り締まるようになった。新大統領の最初の仕事は大統領府などからデモ隊を追い出し、仮設テントを撤去することだった。
地元の人権団体によると、軍は7月以来、脅迫、監視、恣意的な逮捕によって抗議デモを抑制しようとしてきたという。
7月以来、デモを主導した指導者や活動家数十人が逮捕されたと伝えられている。
ウィクラマシンハ氏は「平和的なデモは許可するが、暴動や故意に法律を破った者は厳しく取り締まる」と宣言している。
27日のデモに参加した活動家グループはツイッターに、「7月以降に逮捕された活動家を釈放しろ」と投稿している。警察は逮捕者の認否を明らかにしていない。
デモ隊はウィクラマシンハ氏がラジャパクサ一族とつながりの深い議員らの支持を受けていることに不満を表明している。
ラジャパクサ氏は9月に逃亡先のタイから帰国して以来、姿を隠している。デモ隊はウィクラマシンハ氏がラジャパクサ氏を保護していると非難している。
多くの独立系メディアも「ラジャパクサ氏を含む多くの政治家が説明責任を果たしていない」と報じている。「未曽有の経済危機を引き起こした指導者たちは何も知らないような顔をし、デモ隊の怒りを煽っています」
スリランカの対外債務は510億ドルを超え、そのうち280億ドルを2027年までに返済しなければならない。9月の消費者物価指数(CPI)は前年同月から73.7%上昇し、過去最高を更新した。