◎投票日は9月21日。即日開票される。
スリランカの選挙管理委員会は15日、未曾有の経済危機を乗り切るための財政改革の行方を左右する来月の大統領選の立候補者39人の申請を受理した。
同委員会は記者会見で、「39人が立候補届を提出し、全員受理された」と明らかにした。
投票日は9月21日。即日開票される。
前回2019年の選挙では35人の候補が争った。
スリランカは2年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。
この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府や首相府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。
同国で選挙が行われるのは22年の破産宣言以来初。今回の選挙はウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領の経済改革の是非を問う信任投票とみなされている。
この改革によって経済数値は改善されたが、その効果はまだ多くの一般市民に届いていない。
スリランカは国際通貨基金(IMF)による救済プログラムの下、債務再編と金融改革プログラムを進めている。
持続不可能な債務、外貨不足、パンデミック、ウクライナ戦争などが重なった結果、燃料、医薬品、調理用ガス、食料などの必需品を輸入できなくなり、大混乱に陥った。
その後の暴動により、ラジャパクサ氏は国外逃亡を余儀なくされ、辞任に追い込まれた。議会はその後、ラジャパクサ氏の後任にウィクラマシンハ氏を選出した。
再選を目指すウィクラマシンハ氏は2048年の独立100周年までにスリランカを先進国にするという野心的な目標を掲げている。