◎選挙管理委員会によると、NPPは225議席中159議席を獲得、他党を圧倒した。
インド洋の島国スリランカで14日に行われた議会選(一院制、定数225)の開票作業が終了し、ディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayake)大統領率いる左派政党・人民解放戦線(NPP)が地滑り的勝利を収めた。
選挙管理委員会によると、NPPは225議席中159議席を獲得、他党を圧倒した。
野党指導者プレマダーサ氏率いる統一人民戦線(SJB)は40議席を獲得した。
スリランカは2年前、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。当時の負債総額は830億ドル超。そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務であった。
この危機は全国規模の抗議デモに発展。大統領府や首相府が占領される事態となり、当時のラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領を辞任に追い込んだ。
9月の大統領選で敗れたウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)前大統領は国際通貨基金(IMF)の支援を受けながら債務再編を進めてきた。
ディサナヤケ氏は債務再編に関してはIMFとの取引を遵守すると約束している。
選管によると、経済危機を引き起こしたラジャパクサ兄弟の政党・スリランカ人民戦線(SLPP)はわずか3議席。ウィクラマシンハ氏の新民主戦線(NDF)も5議席にとどまった。
これにより、ディサナヤケ氏は他の政党に頼ることなく、選挙公約である新憲法制定を含む抜本的な改革を断行することができるようになった。
ディサナヤケ氏は9月の大統領選を制し、議会を解散。改選前のNPPの議席は3議席であったが、この2カ月で支持率を大きく伸ばした。
NPPは北部の少数民族タミル人の選挙区も制した。タミル系政党は数十年に及ぶ内戦以来、初めて議席を失った。