◎採決の結果、賛成225ー反対62で可決された。
スリランカ国会が24日、一部のメディアや人権団体から批判を浴びているオンライン安全法案を圧倒的賛成多数で可決した。
与党はこの法案ついて、「国家の安全と安定を脅かすインターネット犯罪、殺人、詐欺、ヘイトクライム、誹謗中傷、虚偽の発言・情報などに対処するもの」と説明している。
法律が施行されると、幅広い権限を持つオンライン安全委員会が設立され、ユーザーやインターネット・プロバイダなどにコンテンツを削除したり、アカウントへのアクセスをブロックしたりするよう指示することができるようになる。
差別、ヘイトクライム、個人情報の拡散、暴力を煽る発言とみなされるネット上の発言が削除の対象となり、刑事罰に問われる可能性もある。
ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領は23日に法案を提出。採決の結果、賛成225ー反対62で可決された。
一部のメディア、人権団体、市民団体は法案を「弾圧」と呼び、表現の自由が侵害されると政府を批判。法案の撤回を呼びかけていた。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは24日、この法案を「抑圧的なインターネット法」と呼び、「広範で曖昧...長期の懲役刑に処される新たな懲罰法が成立したことを遺憾に思う」と嘆いた。
スリランカを含むアジア諸国ではサイバー犯罪が横行しており、詐欺による被害額は数十億ドルにのぼると推定されている。
スリランカの公安当局によると、インターネット詐欺、サイバーハラスメント、データ窃盗、性的虐待、その他犯罪に関連する1万件近くの苦情や問い合わせが昨年警察に寄せられたという。