◎法案は24日に採決され、賛成多数で可決される見通しだ。
スリランカ国会は23日、一部の人権団体や活動家から批判を集めているオンライン安全法案の審議を開始した。
ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)大統領はこの法案ついて、「国家の安全と安定を脅かすインターネット犯罪、殺人、詐欺、ヘイトクライム、誹謗中傷、虚偽の発言・情報などに対処するもの」と説明している。
ウィクラマシンハ氏は国会でこの法案について概説。与野党に理解を求めた。
公安当局によると、インターネット詐欺、サイバーハラスメント、データ窃盗、性的虐待、その他犯罪に関連する1万件近くの苦情や問い合わせが昨年警察に寄せられたという。
スリランカを含むアジア諸国ではサイバー犯罪が横行しており、詐欺による被害額は数十億ドルにのぼると推定されている。
与党は法案を「サイバー犯罪に対処する必要不可欠なもの」と呼び、速やかに成立させるよう野党に呼びかけている。
しかし、一部のメディア、人権団体、その他活動家たちはこの法案が言論の自由を冷え込ませ、いくつかの条項は人権と表現の自由を損なうものであると批判。政府に法案の撤回を要求している。
法案は24日に採決され、賛成多数で可決される見通しだ。
法案が成立すると、広範な権限を持つオンライン安全委員会が設立され、ユーザーやインターネット・プロバイダなどにコンテンツを削除したり、アカウントへのアクセスをブロックしたりするよう指示することができるようになる。