◎スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
スリランカ中央銀行のウィーラシンハ(Nandalal Weerasinghe)総裁は24日、国際通貨基金(IMF)の29億ドルの救済パッケージの第2弾を年内に受け取ることができると確信していると表明した。
ウィーラシンハ氏は記者団に対し、「交渉は順調に進んでおり、正しい方向に進んでいると確信している」と語った。
スリランカは昨年、返済期限を迎える対外債務約70億ドルの返済を停止し、デフォルトに陥った。
持続不可能な債務、コロナウイルスの大流行による観光業の低迷、ロシアのウクライナ侵攻による燃料価格高騰などの影響により、人口の大部分を占める低中所得者層の多くが今も厳しい生活を余儀なくされている。
同国の負債総額は830億ドルを超え、そのうち415億ドルが対外債務、421億ドルが国内債務である。
IMFは今年3月、29億ドルの融資を承認。第1弾として3億3000万ドルを融資した。
IMFは9月の審査で「スリランカ経済は回復しているものの、税務管理を改善し、免税をなくし、脱税を取り締まる必要がある」と指摘していた。
この1年間で食料、燃料、医薬品の不足は概ね解消。計画停電もほとんど実施されなくなった。しかし、電気料金の値上げや企業に重い所得税を課して歳入を増やそうとするウィクラマシンハ政権の取り組みは支持を得られず、国民の不安が高まっている。
ウィーラシンハ氏は「主要債権者である中国の銀行は第2弾融資に必要な財政的保証をすでに与えており、他の債権者もすぐに同意することを望んでいる」と述べた。
スリランカは現在、対外債務の再編に関する交渉について、インド、パリクラブ(主要債権国会議)、公的債権者委員会(OCC)、中国と個別に実施中。インド、日本、フランスが共同議長を務めるOCCはまだ合意していない。