◎スリランカは対外債務の処理に苦労している。
スリランカで28日、ラジャパクサ兄弟(大統領&首相)の退陣を求めるゼネラルストライキが決行され、数万人が怒りの声を上げた。
AP通信によると、首都コロンボのビジネス街は閉鎖、公共交通機関は運休、学校も休校したという。
コロンボの市街地に集まった人々は大統領府に向かって行進し、周辺で野営している数百人のデモ隊に合流した。公務員や医療関係者も昼休みにデモに参加し、抗議者を応援した。
スリランカの経済を支えている茶畑、ゴム園、衣料品工場で働く労働者も各地で抗議デモを行ったと伝えられている。
スリランカは破産寸前の状態であり、総額250億ドルの対外債務のうち70億ドル近くを今年中に返済しなければならない。政府は輸入品の購入代金を支払えず、燃料、食料、その他様々な生活必需品が不足している。
医療関係者は、医薬品や患者の治療に必要な機器が不足していると警告している。
ラジャパクサ兄弟は世界銀行、国際通貨基金(IMF)、近隣諸国に支援を求めているが、危機を乗り切れるかどうかは不透明な情勢である。
インドネシア政府は28日、スリランカに160万ドル相当の医薬品と危機を寄付すると発表した。
世銀も今週、6億ドルの融資に合意した。
街頭で抗議する人々は、過去20年間国を率い、富を独占してきたゴタバヤ・ラジャパクサ大統領とその家族が危機を引き起こしたと指摘している。
スリランカはすでに対外債務の支払いを停止しており、デフォルト寸前である。外貨準備は10億ドルを下回った。
その結果、輸入品の代金を支払えなくなり、ガソリンやその他のあらゆる生活必需品が不足し、インフレを後押しした。市民は食料を買うために何時間も並んでいる。
しかし、ラジャパクサ兄弟は一連の危機をロシア・ウクライナ戦争とコロナウイルスの大流行によるものとし、国民に「忍耐」を求め、政府は債務を処理するために奮闘していると主張した。
ラジャパクサ大統領は野党に挙国一致内閣の発足を呼びかけたが、野党はこれを拒否し、兄弟に引退を勧告した。
しかし、野党も分裂が進んでいるため、足並みをそろえて行動することは期待できそうにない。
ラジャパクサ兄弟は「無謀な減税」「外貨を獲得できない(採算の合わない)無駄な施設への投資」「意味不明な政策」を推進することで債務を積み重ねたと非難されている。
政府は昨年6月、「100%有機産業プログラム」を開始し、農薬の使用を原則禁止した。その結果、農家の負担は激増し、品種によっては生産量が最大50%減少し、深刻な食糧不足を引き起こした。その後、政府はIMFに支援を求め、数十万トンの米を輸入せざるを得なくなった。