◎スリランカの鉄道サービスは長年の管理不行き届きと設備改修計画の欠如でボロボロになり、多くの車両や線路が法令違反の状態で運用されている。
スリランカ政府は13日、国鉄職員によるストライキに対応するため、主要都市の駅に陸軍を配備した。
スリランカ鉄道の労働組合は12日にストを開始。数十万人が影響を受けたとみられる。
AP通信によると、この2日間で数百の列車が運休となり、運行された列車はわずか数本にとどまったという。首都コロンボの駅には利用者が殺到し、修羅場となった。
運行された数少ない列車には利用者が殺到。屋根の上に乗る人や雨に耐えながら外側の柱にしがみついている人が多く見られた。
12日には超満員電車の運行中に乗客2人が死亡。1人は屋根の上で高架橋に頭をぶつけ、もう1人は転落したとみられる。
ストを行っているのはスリランカ鉄道の運転士や技師などが加盟する労組。執行部は政府に対し、採用プロセスの見直しや昇給などの問題を解決するよう求めている。
大統領府の報道官は13日、このストと労組を非難。「政府は問題解決に向けた交渉の場を設けようとしたが、労組はこれに応じず、ストを強行した」と述べた。
また報道官は労組を「テロ組織」と呼び、12日の事故の責任は執行部にあると非難した。
労組の書記長はフェイスブックに声明を投稿。政府に対し、労組が提示した要求に応じなければ、ストを継続する可能性があると警告した。
スリランカの鉄道サービスは長年の管理不行き届きと設備改修計画の欠如でボロボロになり、多くの車両や線路が法令違反の状態で運用されている。
陸軍の報道官は13日、コロンボなどに配備した兵士が列車の運行を代行していると説明した。
また報道官は「一般市民、鉄道利用者、鉄道従業員の安全を確保し、国有財産を保護するために必要な措置を取る」と述べた。