◎スリランカは対外債務の処理に失敗し、崩壊した。
2022年6月11日/スリランカ、首都コロンボ、給油所の再開を待つ人々(Eranga Jayawardena/AP通信)

スリランカウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)首相は22日、数カ月にわたる絶望的な食料、燃料、電力の不足により「国の経済は崩壊した」と議会で演説した。

ウィクラマシンハ氏は、「スリランカは食料不足だけでなく、はるかに深刻な問題に直面しており、どん底に落ちる可能性がある」と警告した。

野党はウィクラマシンハ氏に罵声を浴びせたが、解決策を提案した議員はいなかった。

スリランカの債務はラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領率いる前政権の「後先考えない無謀な減税」「外貨を獲得できない無駄な施設への投資」「意味不明な政策」、中国の「債務トラップ」の影響で膨れ上がり、債務不履行に陥った。

政府は多額の負債、観光収入の減少、コロナウイルスがもたらした経済の低迷、外貨不足、インフレなどに全く対処できず、その結果、食料、ガソリン、牛乳、調理用ガス、トイレットペーパーを含む生活必需品を輸入できなくなり、破産に向かって猛進している。

野党の一部議員は今週、議会ボイコットを表明し、経済を立て直すというウィクラマシンハ氏の公約を「真っ赤なウソ」と呼んだ。

ウィクレマシンハ氏は演説の中で、「スリランカは石油公社が抱える多額の債務により、輸入燃料を購入できない」と語った。「債務を処理できなくなった結果、すべての国がスリランカへの燃料提供を停止しました。我々は信用を失ったのです...」

この危機は、人口の15~20%と推定される中産階級にも影響を与え始めている。この階級は1970年代以降の貿易や投資で成長した。

中産階級は貧困層に比べるとはるかに安定した生活を送っていた。しかし今、その多くが食料や調理用ガスの確保に苦労している。

首都コロンボで活動する人道団体はSNSに、「恐ろしい勢いで崩壊が進んでいる」と投稿している。「裕福と思われていた中産階級ですら食料を確保できずにいます。より弱い立場の人々はどうなってしまうのでしょうか?」

政府は現在、国家公務員に毎週1日特別休暇を与え、畑を耕し米や野菜を育てるよう促している。公式データによると、食品インフレ率は57%に達した。

ウィクラマシンハ氏は先月、経済危機をめぐる激しい抗議デモ後に退陣したラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)前首相の後を継いだ。同氏は演説の中で外貨不足に対処できなかった前政権を厳しく非難した。

ウィクラマシンハ氏は「国の力を結集して危機に対処しなければならない」と訴えた。「私たちは信用と機会を失いました。このままでは本当にどん底に落ちかねません...」

スリランカは隣国インドの信用枠40億ドルで何とか破産を免れている。しかし、ウィクラマシンハ氏は、「インドもそう長くは支援を維持できないだろう」と語った。

政府は国際通貨基金(IMF)の救済交渉で結果が出るまで、今年返済期限を迎える対外債務70億ドルの返済を停止すると発表している。2026年までは毎年平均50億ドルを処理し続けなればならない。

政府はIMFの代表団と協議を続けている。

地元メディアによると、米財務省のチームも来週スリランカを訪問する予定。

2022年5月26日/スリランカ、首都コロンボ、給油所の再開を待つ人々(Eranga Jayawardena/AP通信)
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