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スリランカ2019年爆破テロ、国家情報局の元局長逮捕

逮捕されたのは退役少将で元情報機関トップのシュレシュ・サレイ(Suresh Sallay)容疑者。25日未明に首都コロンボ郊外で身柄を拘束された。
2023年2月26日/スリランカ、首都コロンボ(ranga Jayawardena/AP通信)

スリランカの捜査当局は25日、2019年4月の復活祭(イースター)爆弾テロ事件に関与した疑いで、元国家情報局(SIS)局長を逮捕したと発表した。逮捕されたのは退役少将で元情報機関トップのシュレシュ・サレイ(Suresh Sallay)容疑者。25日未明に首都コロンボ郊外で身柄を拘束された。今回の逮捕はこのテロをめぐる捜査で最も高い地位にある人物の拘束となる。

警察によると、サレイ容疑者は共謀および教唆ならびに爆弾テロを助けた疑いで逮捕された。当局は具体的な容疑の詳細については明らかにしていないが、引き続き証拠の分析と事情聴取を進めるとしている。

このテロは2019年4月21日に発生。3つの教会と3つの高級ホテルを標的にした連続自爆テロにより279人が死亡、500人以上が重軽傷を負った。犠牲者には複数の外国人も含まれ、スリランカでは戦後最大級のテロ事件となった。事件直後、当局は国内の過激派グループによる犯行と断定したが、後の報道や捜査で情報機関の関与や情報の見落としが疑問視されてきた。

サレイ容疑者は当時、軍の要職にあり、その後2019年末にラジャパクサ政権下でSISの局長に任命された。逮捕容疑に対しサレイ容疑者はこれまで一貫して関与を否定しているが、英BBCが2023年に放送した番組では、容疑者が過激派と面会したとする証言が紹介され、攻撃を意図的に見逃した可能性が報じられた。報道ではこの策動が同年の大統領選挙で政治的利益を得る目的だったとする指摘もある。

今回の逮捕は2024年に就任したディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayake)大統領の下で進む再捜査の一環と見られ、同氏は事件の全容解明と責任の追及を公約に掲げていた。地元の教会関係者や被害者支援団体は今回の逮捕を評価する一方で、「真相を明らかにし公正な裁判を求める」とのコメントを出している。

事件後、スリランカでは治安機関の情報共有や警戒態勢の不備に批判が集まり、最高裁は当時の大統領と複数の高官が警告を無視したとして賠償を命じた判決も出ている。また国連や国際人権団体からは、これまで公表されなかった捜査記録の公開を求める声も上がっている。

サレイ容疑者の裁判は今後、国内外の関心を集める可能性が高く、スリランカ社会に残る傷痕と向き合う新たな局面となるとみられている。

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