東南アジアでメタンフェタミン大流行、押収量過去水準最高に=国連
メタンフェタミン(俗称メス、スピード、チョークなど)はアンフェタミンより依存性が強く、簡単に作ることができるため、ヘロインに取って代わり、東南アジア・中東・西欧で流行。最も入手しやすい薬物のひとつになった。
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国連薬物犯罪事務所(UNODC)は28日、東南アジアにおけるメタンフェタミンを含む違法薬物の取引が急拡大し、押収量が過去最高水準に達する見通しであると明らかにした。
メタンフェタミン(俗称メス、スピード、チョークなど)はアンフェタミンより依存性が強く、簡単に作ることができるため、ヘロインに取って代わり、東南アジア・中東・西欧で流行。最も入手しやすい薬物のひとつになった。
UNODCによると、東南アジアにおける24年のメタンフェタミンの押収量は236トンに達し、23年比で24%増加したという。
これにはメタンフェタミンの結晶と錠剤の両方が含まれる。後者は大衆市場向けとされ、ミャンマーでは1錠あたりわずか0.60米ドル(約87円)で取引されている。
タイでは昨年、約10億錠が押収された。
ミャンマーでは軍事政権が発足した21年から23年にかけて、アヘンの栽培量と生産量が増加。同国では現在も反体制派と軍政による戦闘が続いている。
UNODCはレポートの中で、「地域市場へのメタンフェタミンの持続的な流入は、機敏で資金力のある国際的な犯罪グループが運営する大規模生産と密輸ネットワークによるものである」と指摘した。
その多くがゴールデントライアングルから世界中に密輸されている。
ゴールデントライアングルはタイ、ミャンマー、ラオスの国境地帯の通称で、違法薬物の製造・取引の拠点になっている。
ゴールデントライアングルの政情は不安定で、ミャンマーの政変と内戦が麻薬の生産・密売増に拍車をかけているとみられる。
UNODCはミャンマーのシャン州を含むゴールデントライアングルで「前例のないレベル」のメタンフェタミンの生産と密輸が確認されていると指摘した。
それによると、メタンフェタミンは工業規模での製造が容易なため、ヘロインに代わり、ゴールデントライアングルの主要薬物になったという。