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韓国大統領が訪中、台湾めぐり日中の緊張高まる中

今回の訪中は、韓国が対米同盟とのバランスを保ちながら、経済的に依存する中国との関係も重視するという外交戦略の一環とみられている。
2025年11月1日/中国、、慶州、習近平 国家主席(左)と韓国のイ・ジェミョン大統領(AP通信)

韓国のイ・ジェミョン(Lee Jae-myung)大統領は1月4日から4日間の日程で中国を訪問し、外交・経済関係の強化を図るとともに地域情勢について協議を行う予定だ。イ氏の訪中は就任後初、国賓として公式訪問し、習近平(Xi Jinping)国家主席と会談する。

今回の訪問は、東アジアにおける安全保障環境が不安定化する中で実施される。特に中国と日本の間で台湾を巡る緊張が高まっていることが背景にある。日本の高市(Sanae Takaichi)首相が2025年11月に、中国が台湾に軍事的行動を起こした場合に自衛隊が関与する可能性に言及したことが、日中間の摩擦を激化させた。こうした地域の安全保障の課題がイ氏の訪中に影響を与えている。

イ氏は中国中央テレビ(CCTV)のインタビューで、韓国が台湾をめぐる「一つの中国」政策を尊重する立場にあることを強調した。またイ氏は、韓中関係の健全な発展は双方の核心的利益を互いに尊重することに依存すると述べ、中国と良好な関係を築く重要性を訴えた。また、日米韓の安全保障協力が深まる中でも、中国との協力関係は対立を意味するものではないと説明し、過去の誤解を最小化し、関係を新たな段階へと引き上げることを訪問の目的として掲げた。

首脳会談では、経済協力や地域の安定、北朝鮮問題など幅広い議題が取り上げられる見込みだ。特に韓国は中国が伝統的に強い影響力を持つ北朝鮮との対話再開や非核化プロセスにおいて中国の役割を重視しており、これに関する協議が期待されている。また、サプライチェーンの強化や重要技術分野での協力拡大といった経済面の協議も進められる可能性がある。

一方、訪問直前には北朝鮮が弾道ミサイルを複数発射するなど、朝鮮半島の緊張も高まっている。これを受けて韓国政府は中国に対し、北に建設的な役割を果たすよう促す意向を示している。米国や日本もこの動きを警戒し、地域の安定を求める声を強めている。

今回の訪中は、韓国が対米同盟とのバランスを保ちながら、経済的に依存する中国との関係も重視するという外交戦略の一環とみられている。中国との貿易は韓国経済にとって極めて重要であり、技術や文化交流の強化も課題として挙げられている。両国は会談後に共同声明を出す予定はないものの、相互理解を深めることで両国関係の安定化を目指す意向だ。

イ氏は訪問中、習主席との会談に加え、経済関係者との意見交換や文化交流イベントにも参加する見込みで、これを通じて両国関係の包括的な発展を促進する考えだ。中国側も韓国との関係強化をアピールし、地域の外交均衡の中で自身の影響力を維持・拡大したい意向を示している。

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