韓国国会、米国への投資3500億ドルを管理する法案可決
この法律は韓国政府が米国への投資プロジェクトを管理する公的法人を設立し、投資案件の審査や選定を行う仕組みを定めたものだ。
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韓国国会(一院制、定数300)は12日、米国への総額3500億ドル規模の投資計画を実施するための法案を賛成多数で可決した。採決の結果、法案は賛成226ー反対8で可決され、米国との通商摩擦を緩和するためにイ・ジェミョン政権が約束した大規模投資を管理・実行する制度が整備されることになった。
この法律は韓国政府が米国への投資プロジェクトを管理する公的法人を設立し、投資案件の審査や選定を行う仕組みを定めたものだ。韓国と米国の通商当局の意見を踏まえながら、半導体や先端技術、造船などの分野での投資を調整する。
今回の投資計画は韓国が米国の関税を回避するために2025年に合意した経済協力の一環である。韓国は米国内の半導体などハイテク産業に約2000億ドル、造船分野に約1500億ドルを投資することを約束した。その見返りとして、米国は韓国製品に対する相互関税を従来の25%から15%へ引き下げることで合意している。
この合意はイ・ジェミョン(Lee Jae-myung)大統領とトランプ(Donald Trump)米大統領が2025年10月の首脳会談で大筋合意し、その後正式にまとめられたものだ。韓国側は急激な資金流出を防ぐため、年間投資額の上限を200億ドルに設定して外貨準備への影響を抑える方針も示している。
韓国政府は輸出依存度の高い経済を守るため、議会に対し法案の早期成立を求めていた。米国では保護主義的な通商政策が強まり、韓国企業の対米輸出に影響が出る可能性が指摘されているためだ。さらに米政府は中国だけでなく韓国や日本など同盟国の製造業も対象に、新たな貿易調査を開始しており、追加関税の可能性も浮上している。
一方、法案には慎重論もあった。野党の一部議員は巨額の対米投資が韓国経済に影響を与える恐れがあると指摘し、議会が投資内容を十分に審査できない仕組みになっていると批判した。ある野党議員は、韓国が米国の要求に応じて資金を拠出する「資金供給装置になってはならない」として懸念を示していた。
それでも法案は最終的に可決され、政府は今後、公的法人を通じて具体的な投資案件の選定や管理を進めることになる。半導体、造船、エネルギー、人工知能など戦略産業を中心に投資が行われる見通しで、韓米経済関係の強化と貿易摩擦の回避を図る狙いがある。
今回の立法はトランプ政権の関税政策や国際情勢の不透明感が高まる中で、韓国が同盟国との経済協力を維持しつつ自国経済を守ろうとする難しいバランスを反映した動きといえる。今後は実際の投資案件の内容や規模が、韓国経済や産業構造にどのような影響を与えるのかが注目される。
