韓国大統領、トランプ半導体関税案を軽視「米国内の価格が上昇する」
イ氏は記者団に対し、関税が韓国と台湾の企業に大きな影響を与えるとの懸念を和らげつつも、米国市場での価格への波及を強調した。
とトランプ米大統領(Getty-Images).jpg)
韓国のイ・ジェミョン(Lee Jae-myung)大統領は21日、米国が外国製半導体に対して最大100%の関税を課す可能性について記者会見で言及したことについて、「そのような輸入関税は実際には米国内の半導体製品の価格を押し上げる結果になる可能性が高い」との見方を示した。イ氏は記者団に対し、関税が韓国と台湾の企業に大きな影響を与えるとの懸念を和らげつつも、米国市場での価格への波及を強調した。
米国のラトニック(Howard Lutnick)商務長官は米国内での生産を拡大しない韓国や台湾の半導体メーカーに対し、最大100%の輸入関税を科す可能性を示唆している。これに対してイ氏は韓国と台湾の大手半導体企業が世界市場の80〜90%を占めており、このような関税が導入されればそのコストの多くが最終的に米国の消費者価格に転嫁されると説明した。
またイ氏は韓国がすでに米国との貿易協定に基づく対策を講じ、この枠組みの下で韓国企業が台湾企業や他国との競合で不利にならないよう保護されていると述べた。2025年の韓国の輸出総額は7094億ドルと過去最高を記録し、特に半導体輸出は人工知能(AI)関連需要の強さを背景に前年から22%増加した。米国向けのチップ輸出は1734億ドルのうち8%を占めるが、中国が最大の市場であり、台湾やベトナムがそれに続いているという。
イ氏の発言は米国が自国の半導体産業を強化しようとする政策の一環として外国製品に高関税を課す可能性が取り沙汰される中で出されたものである。この動きはトランプ政権が半導体の国内生産を促進し、重要な供給網を自国に引き寄せるという戦略と軌を一にしているが、貿易相手国との摩擦を深めかねない。実際、韓国政府は米国側と価格や関税の条件について交渉を進める姿勢を示しており、両国の間で有利な取り決めを模索しているとの報道もある。
一方でイ氏は記者会見で、通貨ウォンの動向にも触れ、ウォン安が進む中でも改善の兆しがあるとの見方を示した。韓国当局は今後1〜2カ月でドルに対してウォンが1400前後に回復する可能性を見込んでいるとしつつ、外国為替市場の安定化は国内政策だけでは十分でないとの認識を示した。ウォンの動きは日本円の弱さといった他国通貨の影響も受けているため、単独の対策では限界があると指摘した。
イ氏の発言は、米国の保護主義的な貿易政策と、それに伴う世界の半導体サプライチェーン再編の影響に対する韓国側の立場を示すものとなった。韓国は半導体産業が経済の重要な柱であるだけに、今後の関税措置や交渉の行方が同国の輸出産業や国際競争力にどのような影響を与えるか注目が集まっている。
