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韓国26年3月輸出額過去最高に、前年同月比48%増、40年ぶりの高い伸び率


韓国経済は輸出依存度が高く、今回のような外需主導の成長は強みである一方、外部ショックに脆弱な側面も併せ持つ。
2026年3月13日/韓国、義王市の港湾ターミナル(ロイター通信)

韓国の輸出が急増し、約40年ぶりの高い伸び率を記録した。政府が4月1日に公表した貿易統計によると、2026年3月の輸出額は前年同月比48.3%増の861億3000万ドルとなり、1988年8月以来の高い伸びとなった。市場予想も上回る結果で、同国経済の回復と拡大を強く印象づけた形だ。

今回の輸出急増を主導したのは半導体である。人工知能(AI)関連需要の拡大を背景に、メモリー半導体の価格上昇やサーバー向け需要が急伸し、半導体輸出は前年同月比で151.4%増の328億3000万ドルに達した。韓国は世界有数の半導体生産国であり、AI投資の拡大が輸出全体を押し上げる構図が鮮明になっている。

地域別では、中国向け輸出が64.2%増と大幅に伸びたほか、米国向けも47.1%増、欧州連合(EU)向けも19.3%増となり、主要市場で幅広く需要が回復した。一方で、中東向け輸出は49.1%減と大きく落ち込み、地域紛争の影響が表れた。

輸入は13.2%増の604億ドルとなり、原油価格の上昇が押し上げ要因となった。中東情勢の緊張によりエネルギー供給に不安が生じていることが背景にある。それでも貿易収支は257億4000万ドルの黒字と過去最高を記録し、輸出主導の経済構造の強さが改めて示された。

製造業の活動も活発化している。民間調査によると、3月の工場生産は4年以上ぶりの高い伸びを示し、半導体を中心とした生産拡大が景気を下支えしている。新製品の投入や設備投資の増加も、輸出と連動して製造業の成長を後押ししている。

もっとも、先行きには不透明要因も多い。米イラン戦争がサプライチェーンの混乱や原油価格の上昇を招き、石油化学や自動車など他の産業に悪影響を及ぼす可能性がある。実際、エネルギーコストの上昇は企業収益や消費に重荷となり得る。

政府はこうしたリスクに対応するため、企業支援や供給網の安定化策を進める方針を示している。半導体需要は当面堅調と見込まれるものの、外部環境の変化によって輸出の勢いが鈍化する可能性も否定できない。

韓国経済は輸出依存度が高く、今回のような外需主導の成長は強みである一方、外部ショックに脆弱な側面も併せ持つ。AIブームに支えられた半導体需要がどこまで持続するか、そして地政学リスクがどの程度影響するかが、今後の経済動向を左右する重要な焦点となる。

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