◎マナセ・ソガバレ首相は採決前の演説で先月末に発生した暴動を非難し、「悪の勢力や台湾を擁護する代理人の悪事には屈しない」と怒鳴り散らした。
12月6日、ソロモン諸島の議会はマナセ・ソガバレ首相に対する不信任決議案を反対多数で否決した。
ソガバレ首相は採決前の演説で先月末に発生した暴動を非難し、「悪の勢力や台湾を擁護する代理人の悪事には屈しない」と怒鳴り散らした。
これに対し、不信任決議案を提出した野党のマシュー・ウェール議員は、「首相はウソをつき、中国に便宜を図り、汚職を推進した」と批判した。
採決の結果、決議案は賛成15票ー反対32票で否決された。
マライタ島の反政府デモ隊は先月24日、2019年に台湾との外交関係を断ち切り、中国との関係を強化したソガバレ首相の辞任を要求し、自治体の施設を襲撃した。マライタ島の指導者とソガバレ首相は台湾をめぐる問題などで激しく対立している。
デモはマライタ島からガダルカナル島に波及し、25日に首都近くのチャイナタウンで新たな騒乱が発生した。その後、暴動はオーストラリアの介入などにより終息したが、野党と抗議者はソガバレ首相に辞任を要求し続けた。
米国は台湾問題後、ソロモン諸島政府ではなくマライタ島に直接援助を提供するようになった。ロイター通信などによると、ソガバレ首相は中国が経済大国だったため、台湾との関係を解消したという。
中国との関係強化はソロモン諸島に5億ドル規模の投資を呼び込むと期待されているが、コロナウイルスの感染拡大に伴い、まだ実現していない。
ソガバレ首相は不信任決議案を「違法なクーデター未遂事件のひとつ」と非難し、ある時点で椅子を激しく叩き、「私は何も悪いことはしていない」と訴えた。
これに対し野党のウェール議員はソロモン諸島が抱える複数の問題(高失業率、公務員の汚職、略奪、資源の搾取など)でソガバレ首相を批判した。「一部地域の住民は首相のウソと怠慢に憤慨しています。議会はこの怒りを抑えなければなりません」
しかし、ソガバレ首相は国を発展させるためには、中国の投資が極めて重要と強調した。
野党のリック・フーニプウェラ議員は公務員の汚職がしていることを非難し、「ソガバレ首相は中国のお金に目がくらんでいる」と述べた。
一方、他の主要な議員はソガバレ首相を支持した。
カルウィック・トガマナ保健相は演説で、「政府は民主的に選出されており、決議案を可決すれば暴動を正当化することになる」と述べた。
またトガマナ保健相は、数千人規模の抗議が発生したにもかかわらず、コロナウイルスの新規陽性者は報告されておらず、政府の政策はソロモン諸島を正しい方向に導いていると主張した。
ソロモン諸島は2019年まで台湾との関係を35年以上守っていたため、切り替えは多くの批判と懸念を呼んだ。
太平洋諸島の経済を研究しているオーストラリアのシンクタンク、ローウィー・インスティテュートのミハイ・ソラ氏は報告書の中で、「中国への切り替え後、ソロモン諸島には多くの中国企業が進出した」と述べた。「中国の企業は不透明な方法でソロモン諸島の工事を受注し、独自プロジェクトでは中国人労働者を本土から集め、工事を行います...」
世界銀行などによると、中国はソロモン諸島の総輸出入の約46%を占めているという。
中国の建設プロジェクト(対外融資)は中国企業に利益をもたらす「搾取」と見なされており、多くの開発途上国が債務の処理に苦労している。
ソロモン諸島の中国大使館は6日、ウェブサイトに「島の中国人コミュニティが暴動で大きな打撃を受けた」と投稿し、まもなく支援物資を乗せた貨物船が到着すると明らかにした。
中国大使館は声明の中でホニアラの暴動を強く非難し、「チャイナタウンや中国所有の店舗が破壊され、数百人が避難民になった」と述べた。「中国の長老、女性、子供が家を失い、苦しんでいます。いかなる理由があろうと略奪や暴動は許されません...」